不妊治療ビジネスが狙うアラフォー女性「まだいけますよ」とズルズル治療
医師も呆れる「医療というより商業」「患者さんは金づる」
NHKが昨年(2012年)、不妊治療について行なったアンケート調査(患者・元患者8213人、医療機関308)によると、35歳以上で不妊治療を続けている1400人のうち47%が「治療をいつ止めたらいいか分からない」と答えた。一方、医療機関の8割以上が「妊娠する可能性が極めて低いと分かっていても患者が希望する限り治療を続ける」と答えている。
アンケート調査では、不妊治療に携わる医師から利益優先の医療機関の存在も指摘された。次のような医師の証言がある。「40歳以上の患者さんに『まだいけますよ。次を頑張りましょう』という形でずるずる引き延ばす。そのつど売り上げが上がり患者さんは金づるになっている」「安易な体外受精が行なわれている」「不妊治療は医療というより商業的だ」 日本生殖医学会の吉村泰典理事長(慶大産婦人科教授)は、「妊娠できない患者に目を向けてこなかったことに、患者目線という観点からわれわれは反省しなくてはいけないと思います。患者さん自身も、妊娠の希望を失いたくないということから、治療が自分の生活とか人生の目標になってしまっているんですね」
国谷裕子キャスター「選択肢はほかにないのですか」
吉村理事長「欧米では40歳以上の方は卵子提供がすすめられています。日本でこれを行なうかどうか、選択肢なっていないことも事実です。もう一つは養子縁組の制度がうまくできていないことも問題ですね。女性が働いていると養子縁組ができないといった制度も変えていき、今後はこうした選択肢を増やす必要があると思います」