大震災「被災建物」撤去か保存か…体験風化させたくない!中学生たちが募金活動
2013.05.17 15:28
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建物被害しっかり残った初めての大津波―記録としての意味
東北大大学院の五十嵐太郎教授は「これまでも津波災害はあったわけですが、基本的には木造の建物で、仮に残そうという議論が起こったとしても残らなかった。その意味で、今回の大震災は近代都市になって初めて起きたことで、コンクリートや鉄骨の建物が被災した。その気になれば長期的に残すことが可能で、これまで議論されたことがない初めてのケースなので複雑になっているのだと思います」
国谷裕子キャスター「建築物を残す意味をどう捉えたらいいですか」
五十嵐教授「津波は反復性を持った自然災害です。どこの場所にどの高さまで来るか、深く地形や場所との関係性を持ったタイプの災害です。リアルな形で町の中に建物が残っていることが非常に大きな意味を持っていると思います」
縦長の東北地方の地図を見て、以前から漠然と思っていたことがある。福島県郡山から北上して、福島、一関、花巻、盛岡など主要都市はみな内陸の奥深くにある。陸奥といわれた昔から、津波を避けるように内陸に町が形成され発展してきたのではと推測してみたが、記録があるわけでもなし、まして遺構などなく理由は分からない。五十嵐教授が指摘するように、東日本大震災は震災遺構を残す初めてのケースになるのかもしれない。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2013年5月15日放送「1000年後の命を守るために~どう伝える 震災の教訓~」)