富士山世界遺産登録で心配な「山崩壊」「観光優先」「環境汚染」諮問機関も警告
2013.06.25 14:40
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ふさわしくなくなったと認定されれば登録抹消
国谷はゲストの日本イコモス副委員長の国士舘大・岡田保良教授に「イコノスは景観と自然保護、そして観光との兼ね合いをどう付けるかを問いかけているのではないでしょうか」と聞く。
岡田教授「富士山世界遺産登録は、富士山を中心にその周辺25か所が含まれています。これはとても珍しい例で、従来ならばここまで広範囲に登録を認めるということはありません。ですから、地元でもこれからどうしていいのか戸惑いが広がっていると思います」
国谷「そうしたとき、その柱として何が必要でしょうか」
岡田教授「世界遺産登録は三保の松原や山中湖など多くの構成要素から成り立っています。それらを全体としてどう自然環境や景観を保持するのか、その計画をしっかり立てることが必要です。
今後数年間は登山客も増え、開発圧力も強くなるでしょう。その時、地元自治体も含め国がどう対応するか。時にはイコモスも巻き込んで議論すべきです」
世界遺産に登録されたものの、その後にふさわしくない状態になったら抹消もある。観光でボロボロにされて、富士山がそうならないことを願うばかりだ。
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2013年6月24日放送「世界遺産 富士山は守れるか」)