2024年 4月 28日 (日)

ヒマラヤ遭難死・河野千鶴子さん「人生のカベ打ち破るため登り続けた山々」

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山の上にもあった男女差別…だったら一人で登ろう

   山の会に入会して2年後の52歳のときに、早くもパスポートを取得しネパールで初の海外登山に参加した。以来、毎年のように海外の名だたる山を登頂し自信を深めていった。

   ところが、そんな矢先に思わぬ壁にぶつかった。ヒマラヤ登山の時に男性隊員から体力を不安視され、登頂へのアタックを遠慮するように言われたのだ。組織で登山すると誰かの判断で自分の限界を決められてしまう悔しさ。再び男女の壁がよみがえる。

   河野さんはその壁を乗り越えるために、大勢でパーティーを組む登山のスタイルのやめ、自分ひとりで挑戦するスタイルに改めた。その分リスクは高くなる。そのため、家では重りをつけて家事をしたり、三浦を真似て足に重りをつけて歩いたりとトレーニングに励んだ。コツコツ働いて貯めた資金で2年後、自分で登山ルートや日程を決める独特のスタイルでヒマラヤの8000メートル級の山に挑戦する。手記には「私はあのガリガリの山の頂上に自分の足で立ったのだ。それだけで十分だ」と綴られていた。

   登山家の田部井淳子と女性をモチーフにした作品を書き続ける玉岡かおるが出演した。国谷裕子キャスターが「男女の線引きのない場所にどんどん魅せられていった山とはどんなところですか」と聞く。

   田部井「ここは男の山、女の山とは決まっていませんし、まったく公平なところ。自分で計画し一歩一歩登っていくことで、すごい解放感といいますか、青空の下にいると雄大な気持になるところです」

   国谷「自分の存在は何かで悩んでいたようですが、客観的に見ますと、仕事では管理職、家庭では3人の子どもを育てた母であり妻であり、充実していたのではないかと思うのですが・・・」

   玉岡「充実といっても、それは他者のなかで役割を果たしている満足に過ぎないといっては何ですが、本当に自分がやりたいことではなかった気がします。自分が思い通りにできる夢の世界と、そうでない他人のために生きなければならない現実世界のなかで悩まれたのだと思いますね」

「50歳半ばにして『自分には無限の可能性があると思った』というのは、多くの女性たちを勇気づけますね」

国谷は最後にこう言って締めた。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2013年7月10日放送「自分の足で歩きたい ~ヒマラヤに倒れた女性登山家~」)

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