何かと便利な「職業としてのオネェ」これで女優専属になったノンケのメイクさん
飲み仲間のスタイリストが「どーかと思う」と話し出したのは「職業オネェ」のことだった。いるいる、職業オネェ。知り合いのメイクさんもそうだった。彼はどんな時でもオネェ言葉。結婚してお子さんもいらっしゃる、バイセクシャルでもなんでもなく、いわゆるノンケのお兄さんだ。彼はこう言っていた。女性モデルや女優にメイクをすることが多くなると、いつしか言葉づかいが彼女たちと同じようになるんだと。人との距離が近い仕事柄、相槌を打つにも相手の言葉が移り、「そうですよねえ」から「そうよねえ」に変わり、「マジっすか」が「やっだあ」に変わっていったという。すべて語尾上げである。
でも、これもあながちウソじゃないらしい。オネェ言葉のほうが女優陣から指名が増え、専属メイクの座を得ていた。「ビジネスの成功はテクニックだけじゃない。本来の姿とは違えども、言葉使いだけで人の心をより開かせられたの」と振り返っていた。
ウソとバレたら悲惨!たちまち総スカン
職業オネェもその部類なのかもしれない。初めはそうでもしないと名前も覚えてもらえなかったらしい。あまりにもオネェキャラが氾濫しているいまは、誰が誰だかわからなくなっていそうだけれどね。それに腕が伴わないと、キャラ作りがバレた時は悲惨になりそうで、なかなかリスクが生じる職業がオネェなのかもしれない。
それにしても、メディアでモテはやされるオネェキャラ。同じようなコメントならば、オネェのほうが面白いし、ウケがよくて数字が取れる。たとえ汚れキャラでも、オネェキャラは男性陣相手に堂々と好きなタイプを告白し、女性ファンは女心を代弁してくれるとまであがめてくれる。とにもかくにも、ゲイは包容力があって女性に人気だ。職業オネェが生まれた背景も、そんな要因があると思う。