世界で読まれる「はだしのゲン」こんな暗いマンガ真っ平!連載スタート直後は散々だった読者反応
2013.08.01 12:01
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世界20か国でボランティアが翻訳出版
当時の担当編集者だった山路則隆さんによれば、「こんな暗い作品はもう真っ平だ」といった反応は当然のごとくあり、読者の厳しい反応も伝えていた。「でもリアルに描きたい。本当のことを描きたい。その相克はずっとあったと思う」
もっとも、家族を失ったゲンが孤独に苦しむといった展開には、妻でさえも「重くて悲しいだけでつまらない」と感じ、当の作者もどう面白くしたらいいか頭を悩ませていたという。その後、「ゲン」は孤児同士で支え合い、被爆への偏見や嫌がらせにも負けずに成長していく物語となった。
雑誌連載開始から40年近く経ったいま、「ゲン」は世界各国20か国で出版され、その多くがボランティアによって翻訳されたものだという。欧米やアジア、最近はイランでも出版されたそうだ。
*NHKクローズアップ現代(2013年7月30日放送「世界をかける『はだしのゲン』」)