オバマ大統領「シリア軍事介入」で立往生―強行すれば泥沼、止めれば面子丸つぶれ
2013.09.07 12:00
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アルカイダ虎視眈眈「シリアに理想国家を建設する」
戦闘で負傷して戻った23歳のレバノン人は「シリアに厳格なイスラム法にもとづく理想国家を建設する」という。シリアでの聖戦を呼びかけるアルカイダのザワヒリ氏と呼応する。去年までオバマ政権のシリア担当顧問だったフレデリック・ホフ氏は、「アルカイダと関係のある過激派がシリアに根を張り始めたことは深刻だ」という。アメリカは1970年代、アフガニスタンで反政府勢力に武器を供給した。それが回り回ってアルカイダの手でアメリカに向けられた。苦い記憶だ。
高橋教授は最悪のシナリオをいくつかあげた一方で、対話の芽がないわけでもないという。プーチン大統領は「化学兵器の証拠を見せたら考える」といっている。イランの新大統領はユダヤ教の新年に「新年おめでとう」とツイッターした。各国とも「化学兵器反対」と「シリアでのアルカイダ阻止」では一致している。高橋教授は「これを手がかりに、交渉に踏み出して欲しい」という。が、もし米が攻撃に踏み切ったらその先はもうだれにも読めない。オバマ大統領の決断は重いなんてもんじゃない。
*NHKクローズアップ現代(2013年9月5日放送「緊迫シリア『化学兵器疑惑』に迫る」)