もうドライバーはいらない!ここまできた全自動運転システム―2020年に実用化
自動車メーカーのライバルは「グーグル」人工知能開発で先行
国谷裕子キャスター「メーカーが運転支援機能の充実に開発の重きを置くようになったのはなぜなのでしょうか」
運転支援システムの現状に詳しい電気通信大学の新誠一教授はこう説明する。「一つは軽自動車が4割以上を占めるようになっており、車を楽しむというよりも、必要性から運転されている方が多数いることがあります。家電と同じよういなものになっているわけです。もう一つは高齢化で、負担の少ない自動運転や安全装置に関心が高まってきたのだと思います」
国谷「こうした技術はどのくらい近くまで来ているのでしょうか」
新教授「技術的には完成できていると思います。これに伴う社会的コンセンサス、法的整備が必要ですが、2014年にはかなり安全な車が出てくる。2020年には限られた環境、高速レーンなどで自動走行できる車が登場すると予想しています」
米カリフォルニアの郊外でトヨタのハイブリット車「プリウス」の運転席に乗っているのは目の不自由な男性だった。行き先を言葉で告げると走り出し、左折で横断歩道に人が歩いていれば一時停止する。すべて自動運転で目的地まで運んでくれる。開発したのは世界的IT企業のグーグルだ。4年以内の実用化を目指し、昨年3月から公道での試験走行を始めて、すでに50万キロに達している。
それを可能にしたのが人工知能である。行き先を指示されると、詳細な地図データと現在地を照らし合わせながら最適なルートを選び目的地に向う。搭載したカメラやセンサーから得た情報をもとに、人と同じように人工知能が最適な操作を選択する。
人工知能で先頭を走るグーグルに追い付け追い抜けとばかり、世界の主要自動車メーカーはアメリカ・シリコンバレーに拠点を設け、人工知能の開発に力を入れている。トヨタもその1社で、東京農工大と共同で東京の複雑な市街地での自動走行に対応した人工知能の開発に取り組んでいる。ただ、新教授は「日本は特殊な道路事情もあり、公道で試験走行ができるよう特区を作って整備する必要があります」という。
道路の上を走る自動車は最先端でも、日本は幹線道路から一歩わき道に入ると複雑な道路事情が待っている。さて、夢の車がこの大都会・東京を疾走する日は来るのか―。
モンブラン