やなせたかし「格好悪いヒーロー」に込めた「もう戦争は嫌だ」本当の正義は献身と愛
2013.11.01 12:19
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東日本大震災で心にしみた「アンパンマンの自己犠牲」
キャスターの国谷裕子「本当に人を救おうとするなら、自分を傷つけずにはできないんだという自己犠牲のメッセージは深くて重いものがありますね」
やなせと交流があった弥生美術館の中村圭子学芸員はこう話す。「本当に難しいと思いますね。いざ、そういう立場に立たされたときにはなかなかできないし、私もできない。それをしみじみ感じたのは東日本大震災のときです。
ガレキが撤去されないうちは復興できないというなかで、ガレキを受け入れるところが見つからなかった。今こそやなせ先生のメッセージを思い出す時じゃないか、アンパンマンに試されているなと感じましたね」
やなせの作品は国のために個が犠牲になった戦争体験を通じて、生きる意味や本当の正義とは何かを問いかけた。戦争体験者が少なくなってきている現在、作品の根底に流れるやなせのメッセージは深く重いといえる。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2013年10月30日放送「アンパンマンに託した夢~人間・やなせたかし~」)