ウクライナあす大統領選できるのか?最有力は対ロ融和派…国家分裂・全面内戦の瀬戸際
2014.05.24 12:00
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ウクライナ民族主義過激派は武装強化「ロシアと断固戦う」
大統領選挙には親欧米のティモシェンコ元首相、欧米重視だがロシアとも関係を保つ融和派のポロシェンコ元外相、ウクライナ民族主義過激派「右派セクター」のヤロシ氏が立候補している。問題はヤロシだ。キエフ郊外の「右派セクター」の拠点には装甲車が配備され、メンバーは武装して兵士としての訓練を受けている。これを東部へ送り込んで、介入するロシアと闘うのだという。ヤロシは「主権を守るために断固戦う」という。
こうした状況に、前政権を追放して希望に燃えた改革派の多くは、いま失望の中にいる。唯一の希望が融和派のポロシェンコだ。主張は「ひとつのウクライナ」。投票すれば東部の代表も新政権に参加させるという。最新の世論調査では30%超の支持を集め、最有力と目されている。
ただ、選挙が成り立たなければそれっきりだ。畔蒜氏は「東部を除いた地域では選挙ができるだろう。その上でポロシェンコ氏が親ロシア派との直接対話に持ち込めるかどうかだ」という。
その東部ですら「茶番だ」と笑う住民はいる。みなそこに住んでいて逃げる所はない。西ウクライナもしかり。もともと人も経済もひとつだった国である。ウクライナ人の賢明な選択を祈るしかない。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2014年5月22日放送「国家分裂は避けられるか~緊迫ウクライナ大統領選~」)