2024年 5月 6日 (月)

北朝鮮拉致「特別調査委」の不安…形ばかりの検証で幕引きされる恐れ

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カードは日本側―金正恩にどこまで要求飲ませられるか

   国谷は拉致問題を取材し続けているNHK社会部の今西章記者に「拉致を否定できない方々が470人から860人いるといわれています。全員帰国というのはハードルが高くありませんか」と聞く。「こうした方々は警察当局の捜査で、拉致かどうかがはっきりしていない方々です。政府は全員を帰国させるとしていますけれども、助けるべき被害者の全体像を把握できていないのが現状です。全員をどう救出するのか。何をもって解決とするのか。むずかしい舵取りに迫られていると思います」

   再調査はどのように進むのだろう。今西はこう解説する。「あす1日に開かれる日朝政府間協議で、北朝鮮が特別調査委員会について日本側に説明することになっています。日本側はその権限、組織を見極めた上で対応を協議することにしています。実際に調査が始まり、北朝鮮側が調査結果を伝えてきた際には、外務省や警察庁の担当者からなる検証チームを現地に派遣することにしています」

   国谷「元外務省の原田さんは、北朝鮮の主張を検証しようとしたが限界を感じたと話しています。きちんと調査が行われているかどうか。日本はどんな戦略で臨むのでしょう」

   今西「帰国した拉致被害者の一人の蓮池薫さんに以前インタビューした際に、蓮池さんはとにかく北朝鮮は体制を維持することが第1目標と話してました。経済状況の改善が必要で、日本を必要としているのだと話していました。拉致問題を解決することで、国交正常化と経済協力という日本には大きなカードがあるのだという話をされていました。このカードをうまく使って、拉致被害者の帰国という決断を北朝鮮からどう導き出すのか。ここが問われていると思います」

   中朝がギクシャクしている現状は、日本にとって切り札の有効性が強まるということでもある。金正恩・第一書記の足元を見ながら、こちらの要求をどこまで受け入れさせるか、対北朝鮮外交の正念場である。

ナオジン

*NHKクローズアップ現代(2014年6月30日放送「拉致再調査 思いは届くのか」)

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