観光だけじゃない注目人気「京都の知恵」...なぜご飯がおいしく炊けるのか
2014.10.28 14:44
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洗剤使わなくてもお皿やお茶碗の油汚れスッキリ
京都の家庭料理「おばんざい」を伝える料理研究家の今井幸代さんは使った皿や茶碗を洗剤で洗わない。「京都料理は食材を捨てないですべて使いきることにあります」という。たとえば、大根ならばシッポやヘタは味噌汁、皮はきんぴら、茎はジャコと炒めて使う。そして、キンピラを作ったフライパンはほうれん草の茹で汁を掛けて洗う。油分が見事に落ちている。
「野菜の茹で汁にはサボニンが含まれていて、本来、混じらない水と油を混ぜる効果があるからです」(石鹸会社社長・猪ノ口幹雄さん)
岩倉実相院はちょうどこの時季、秘話のもみじが部屋の床に映る「床もみじ」が美しい。床がピカピカに磨かれているからで、このつやを出すのに使われている謎の粉は何か。米ぬかである。
米ぬかを古手ぬぐいで作った袋に入れ、週に1回せっせと磨く。ぬかの油が少しずつ木ににしみ込んで、化学製品のワックスにはない深いつやが出てくるのだ。京都では床だけでなく、柱や欄間に使っている。
(磯G)