2024年 5月 3日 (金)

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「たかじん事件」問われているのは「ノンフィクションとは何か?」

   週刊文春は百田側で、週刊新潮はどちらかというとさくら・百田寄りで、新聞社系が2人に批判的なのがおもしろい。「永遠のゼロ」や「海賊とよばれた男」を出している講談社の『フライデー』は百田側にどっぷり。『週刊現代』は今週もこの問題には触れていない。上から指示されているのか、自主規制か。今週は『女性自身』が参入したが、こちらは出版社系には珍しく百田側に批判的な記事である。

   『サンデー毎日』がたかじんが遺言でいっていた一般社団法人「OSAKAあかるクラブ」への寄付の件でさくらとトラブっていると報じ、百田のインタビューを掲載している。サンデー毎日によると、さくらが遺言に反して「遺贈放棄してほしい」とクラブ側に申し入れ、自分で運営するといい出していたというのだ。

   クラブ関係者が「さくらさん側は『遺言書はたかじん氏の真意ではない』」とまで言明したという。どういうことなのか。クラブ側は条件付きで放棄を決めたが、「2億円の運用状況をクラブ側に開示してほしい」という条件にさくら側が納得せず、放棄しなくても結構だが、メモリアルでたかじんの名前を使わないでほしいと通告してきたというのだ。

   長女側は「さくらさんが遺産から(自分の持ち分と主張して)1億8000万円を持ち出したため、寄付しようにも資金がない」と指摘している。<「さらに仰天したのは、10月の折衝時に百田氏と在阪テレビ関係者がさくらさんと同席したのです。百田氏は作家である前に、実際には遺産に絡んだ利害関係者だったと受け止められても仕方のない振る舞いではないでしょうか」(あかるクラブ関係者)>

   百田はインタビューにこう答えている。<「今思えば(自業自得という)文言のメールを送ったのかどうか、長女に事実確認したほうがよかったかなとは思いますけど......。(中略)

   もし(さくらさんが=筆者注)『遺産目当て』なら、寄付分もなくして全部手に入れようとするはずです。『無償の愛』と言ったら、お金をもらってはいけないのでしょうか? 結婚歴があったからいけないのでしょうか? 2年間献身的に看護し、罪を犯したわけでもないのに、さくらさんは『極悪人』呼ばわりされています。長女も遺留分は相続できるでしょう。バッシングは本当に不思議です。(中略)

   裁判になったら証拠は全部出します。長女は『銭ゲバ』、K氏(元たかじんの秘書=筆者注)は『嘘つき』。きっと、びっくりしますよ」>

   この「たかじん事件」といってもいい騒動は、遺産を巡る実の娘と継母との争いという側面ばかりが強調されているが、出版社にとって真剣に考えなくてはいけない「ノンフィクションとは何か」という根源的で重要な問題がある。

   ノンフィクションはサッカーのようなものだとはノンフィクション作家・本田靖春の名言だが、手足と想像力を存分に使える小説とは違うのである。一方的な人間のいい分だけを聞いて、批判されている相手のいい分を聞かないのでは、そもそもノンフィクションと名乗る資格がないはずだ。

   そこのところをどう考えるのか。出版社系週刊誌の編集者はそれに答える責任がある。そもそも最近流行のノンフィクション・ノベルなどという中途半端なものが成立するはずがない。編集者の劣化の象徴だと思うが、これを機にノンフィクションについての論争が起きてもらいたと思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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