阪神・淡路大震災20年・・・「暮らしと心の復興は半分以下」ローン返済に追われる高齢被災者
2015.01.17 12:00
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街は復興し商店街は再建・・・それでも戻ってきた住民は3割
アンケート結果について、「人と防災未来センター」の岩崎信彦・神戸大学名誉教授は「問題は2つある」という。働き盛りだった人たちは住宅や営業資金で2000万円台のローンをかかえる。政府は個人資産への支援をしなかった。代わりに1兆5000億円の貸し付けを用意した。これがローンに苦しむ結果になった。(東日本大震災では個人に 300万円が出た)
もうひとつが再開発で街が壊れてしまったこと。長田区は確かに復興した。ビルも建った。商店街も再建された。しかし、人は3割しか戻っていない。居酒屋が常連客を失った理由でもある。人口は増えているのだが、どうしたら新長田に客を呼び戻せるか、答えはまだない。
アンケートでは、家族を亡くした人の復興度が高いという。岩崎氏は「子どもの分まで生きようとしている。素晴らしいこと」というのだが・・・。
20年たって働き盛りも定年前後である。いまもって復興は「半分以下」と答える人たちの震災後がいかに過酷だったか。せめて老後に、行政の一層の心配りを願うばかりだ。
*NHKクローズアップ現代(2015年1月15日放送「取り残される『働き盛り』~阪神・淡路大震災20年~」)