2024年 5月 17日 (金)

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タイミング計っていた「人質カード」安倍首相の2億ドルに反応

   英国王立防衛安全保障研究所のラファエロ・パントゥーチさんは、「イスラム国」が日本に身代金の金額と期限を示したことを「国家を交渉に引き込むのがねらい」と見る。イスラム国が砂漠のテロリストではなく、国家と話ができる組織であることを世界に示して議論を起す。「そこが狙いです」という。日本エネルギー経済研究所の保坂修司氏は「2人の日本人をどう宣伝に利用できるかタイミングを計っていたのだと思います。そこへ安倍首相の中東訪問があった」という。

   イスラム国による現地人の誘拐は日常茶飯事で、身代金は大きな収入源だ。石油の密輸出と支配拡大地の没収財産、産油国の富裕層からの寄付も大きかったが、昨年からの空爆で戦線が膠着し、すべてがじり貧になって存在感も低下している。

   保坂氏は「ライバルのアラビア半島のアルカイダがパリで事件を起こして、焦りがあったのかもしれない。今回の要求金額は(普通の誘拐とは)けた違いで、目的は金以外にあるのではないか」という。具体的には、プレゼンスの誇示、リクルート効果、湾岸諸国からの支援拡大・・・。これらのアピールに安倍発言は絶好のネタになったという見方だ。スピーチに挿入された「イスラム国対策」の一言がスイッチだったか。

   宗教、民族、部族、さまざまな対立と欧米への反感とが渦巻く世界である。「国」といってもアリババの盗賊と大差ない集団だ。交渉ルートがあるかどうかも定かでない。彼らがバカでないことを祈るしかあるまい。

NHKクローズアップ現代(2013年月日放送「なぜ日本人が標的に?~『イスラム国』の真相~」)

文   ヤンヤン
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