2024年 5月 6日 (月)

月給1万2000円アップで歯止めかかるか「介護職員の離職」それでも低すぎる賃金

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介護報酬2.2%引き下げで事業所は苦境

   兵庫県尼崎市の社会福祉法人では、介護職員を対象に独自のキャリアアップ制度で待遇改善を進めている。ケアマイスタ―制度と呼ばれるこの制度は、技術力や指導力によって無資格から最上位のマイスターまで6段階に分け、年1回の資格試験に合格すれば給料が上がる仕組みだ。

   たとえば、最上位から3番目のゴールドの試験に合格すると、基本給プラス手当で1万5000円アップ。最高ランクのマイスターなら3万円アップし、年収が600万円に達している職員もいる。

   ところが、今回の制度改正では、待遇改善の努力の腰を折るような改正も抱き合わせで導入される。事業所の介護報酬が全体で2.2%引き下げられるのだ。介護職員の給料は増えても、事業所の経営はますます苦しくなるという構図だ。ケアマネージャーとして豊富な体験を持つ淑徳大学の結城康博教授は、「9年ぶりに事業所全体の介護報酬がマイナス改定になったことで、一生懸命やっているところに水を差すような影響が出てくるのではないかと心配しています」と話す。待遇改善を進めているところはまだわずかで、全体的には大変な仕事に変わりはないし、人手不足は解消していない。他産業でも人材が欲しい中で、1万2000円アップで離職が食い止められるのかどうか。確たる見通しはないようだ。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2015年4月1日放送「介護職の働き方改革~人材確保の最前線~」)

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