2024年 5月 7日 (火)

京都・清水寺「平成縁起絵巻」きょう25日から公開!テーマは1200年寺を支え続ける人びとの姿

五木寛之「静かで穏やかで平和的。納得しました」

   大阪に住む高見篤志郎・初子夫妻は、毎年、桜の季節に清水寺を訪れる。19年前にひとり娘の雅子さんを亡くして悲嘆にくれていたとき、「観音桜」の話を知った。寄進した人の名で桜の苗を植える。「雅子」という札のついた桜は見上げる高さになった。「清水さんが預かってくれた」と桜を撫でる。絵巻の最後はその観音桜満開の図だ。

   絵を描いた箱崎さんは、和紙ではなく西陣織を使って古来の技法を復活させた。「絵絹」という極細織は紙より光沢がありこすれに強い。これに「裏彩色」という技法を使った。裏から描いた絵の具が表に染みだし、そこに表から再度描く。1度は消えた技法だったが、「素晴らしい叡智です」という。

   新絵巻を見た作家の五木寛之さんは「正直いって意外な感じ」という。「絵巻といえば、もっと刺激的でドラマチック、劇画的なものを考えますよね。それが静かで穏やかで平和的。今までと違うところで作られたんだなと納得しました」

   深いメッセージがこめられた新縁起絵巻を無性に見たくなった。できれば古い方と並べて見たい。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2015年4月23日放送「絵巻がひもとく清水寺~知られざる1200年の歩み~」)

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