米FRB年内利上げ!『悪い円安』加速で物価急騰、輸出ブレーキでアベノミクス墜落か
黒田日銀も「ゼロ金利・量的緩和」時代終わり
国谷裕子キャスターが国際金融評論家の倉都康行氏に聞く。「VTRのアメリカに『大人の対応を求める』という言葉が印象的でした。新興国の景気が鈍化すると、当然アメリカも影響も受けると思いますが、イエレンさんの心模様はどういうものでしょうか」
倉都氏「ゼロ金利というのはあくまで異常事態なんですね。中央銀行としてはできるだけ早く金利を正常化したい。利上げというより金利の正常化を急いでいるということだと思います」
国谷「日銀の黒田総裁は実効レートを見るとこれ以上円安が進むとは思えないと言っています」
倉都氏「日銀としては『これ以上円安に進んでほしくない』というのがホンネにはあると思います。日銀の最大のテーマは物価の上昇率ですから、まだ物価は上がるだろうという期待値は残っています。ただし、どこかで追加緩和ができるカードは持っていたい。そういう中で、あまりに円安が進んでしまうと、いわゆる『悪い円安』になってしまう。したがってあまり円安になって欲しくないがホンネでしょう」 国谷「アメリカが利上げに向かおうとする中で、日本の経済運営はどうあるべきでしょうか」
倉都氏「アメリカが利上げという形で正常化をしていったとなると、日本にとっても一つの手本になると思うんです。日本もアメリカと同じ量的緩和の真っただ中ですが、いずれ出口を考えないといけない時期が来ます。いつまでもぬるま湯にドップリ使っていてはいけないという姿勢を少しづつ出してゆく必要はあると思います」
*NHKクローズアップ現代(2015年6月22日放送「世界通貨安どこまで~アメリカ『利上げ』の波紋~」)