2024年 4月 26日 (金)

「鬼怒川豪雨」もし東京で降ってたら・・・死者6300人。神田川、善福寺川氾濫。中野、杉並、三鷹、武蔵野水没

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   『週刊新潮』のグラビア「大水に呑まれた日常」と降り続く都内の雨を見ながら、ボーッとしている。写真は9月11日(2015年)16時半の茨城県常総市役所近く。身体の半分が水に浸かった男性2人が子供を肩車している。だが、後ろの車のフロントガラスに残った線を見ると、少し前までは男性の首まですっぽり埋まる高さまで水位があったことがわかる。

   総雨量が600ミリを超えたといわれる。『週刊文春』によれば、多くの自治体は大雨時の浸水ハザードマップを公開しているが、その多くは総雨量589ミリを記録した2000年の東海豪雨を基準に作成しているため、それを超えたら被害はどれくらいになるか計り知れないという。

<「鬼怒川の豪雨が首都圏で降れば被害はその比ではありません。利根川氾濫を対象とした政府の試算では、最大で死者六千三百人の被害が出ると予想されています」)(土木学会首都圏低平地災害防災検討会座長・土屋信行氏)>

   私の住んでいるのは東京中野区で大久保通り沿いだ。武蔵野台地に位置する東京西部である。土屋氏は、武蔵野台地には神田川や善福寺川などの中小河川が数多くあり、台地を削って流れているため勾配が急だから、短時間で水位が上がるといっている。

   中野の他には杉並区、三鷹、武蔵野市がゲリラ豪雨に注意が必要だそうだ。私の家は青梅街道と早稲田通りの谷間にある。そのためだろう、小学校は「谷戸小学校」という。子供の頃は、台風が来るとすぐ近くの桃園川があふれ、床下浸水は何度も経験している。今はその川が暗渠になり歩道になっているからわからないが、ゲリラ豪雨があれば間違いなく氾濫するだろう。

   先日早朝、震度4の揺れの大きい地震があった。70年間、さほど大きな天変地異もなくきた東京だが、そろそろという予感がある。

   世紀末を思わせる映像の中で、唯一明るい話題になったのは、濁流の中でピクリとも動かず次々に流されてくる家々を受け止め、スックと立っていた1軒の白い家だった。週刊文春によれば、これは旭化成のヘーベルハウスだそうである。鉄骨の枠組みの堅牢な造りで、阪神・淡路大震災のときも7棟あるヘーベルハウスは健全な姿で立ち続けていて、写真誌にもその姿が掲載されたそうだ。たしかに他の〇〇ハウスより頑丈そうだが、高いのだろうね。

安保関連法これからが勝負!来年の参院選で目にもの見せてやろう

   安全保障関連法案に反対する運動の輪が広がっていることに、60年安保当時を少し知っている世代の私は感動している。安倍首相やその周辺の人間は、たいした数ではないなどいっているが、とんでもない。あの当時と違って、政治に無関心な人間が多い中で、若者を含めこれだけの盛り上がりを見せていることに畏れるべきである。

   SNSを含めたメディアの多さを考えれば、当時と匹敵するか、それを凌でいると思う。こうした反対運動の広がりを見ていながら、ことの重大さをわからない週刊誌が多すぎはしないか。

   週刊新潮などは取り上げてはいるが、その視点は誉められたものではない。「『SEALDs』国会デモの経歴は就活に不利か有利か?」「長い時間がかかる『違憲訴訟』の最終的な結末は?」「『国会デモ』の新聞全面広告の代金は誰が出したか?」など、本筋と関係ないところばかりで、週刊新潮の姿勢にこそ「疑問(週刊新潮のタイトルは「『安保法案』7つの疑問」)」がある。安保法案に賛成なら賛成とハッキリ態度表明して特集を組めばいいのだ。

   私の知り合いたちも毎夜国会周辺に行っているが、私は行かないことにしている。60年、70年の安保闘争は成立してしまってからあっという間に衰退し、多くの人間は就職して社畜の人生を選択し、政治や社会への怒りを忘れていった。私は学生運動には関わっていなかったが、同じ穴の狢である。

   今回はこのような愚を犯してはいけない。日本もその当時とは大きく異なり、非正規労働者や下流老人たちが増え続ける社会に対する不満が、今回のような反安保のうねりになったと思う。デモに参加したというカタルシスだけを味わって、法案が成立したら忘れ去ってしまうのがこれまでのパターンだが、今回は法案が成立してからが勝負である。

   悔しさを忘れず、次の参議院選までその悔しさを持続しなければいけない。私も早稲田の塹壕から弾を撃ち続ける。一人一人が自分のできる範囲で、この安保法制を批判し無効にしていく運動を続けていくことこそ大事なはずである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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