2024年 5月 4日 (土)

野放し!「生体肝移植」5人死亡の神戸メディカルセンターも「手術続ける」医療産業化で利益優先

本来はやってはいけない治療法!条件や施設の基準ない日本

   なぜ忠告を無視して医師の判断で勝手に手術を続行できるのか。生命倫理の詳しい社会学者の橳島次郎・東京財団研究員は「そもそも生体肝移植はやってはいけないことなんですよ。非常に特別な医療だという認識が日本にはなさすぎるのが一番大きな問題です」と次のように語った。

「生体肝移植は生きている健康な人の体にメスを入れる。医者としては最もやってはいけないわけで、やる以上はちゃんと公的に規定しないといけないはずです。よその国では、臓器移植法に生体移植が許される条件、施設の基準を含め規定し、この範囲なら正当な医療として認めると決めています。しかし、日本の臓器移植法は脳死移植だけで、生体移植の規定はないんです。どういう場合にこの特殊な医療を認めていいか示されていない。言葉は悪いですが、脳死移植に比べて、生体移植はほとんど野放し。誰でもできてしまうんです」

   国谷裕子キャスター「多くの待機患者さんが臓器の提供を待っているですけれどねえ」

   橳島研究員「だから、命が脅かされている人のために、ごくごく例外に、しかたなくやることなんですよ。ほんとはやってはいけない医療行為を、医療産業だと他国にどんどん売っていくのはどうかと思います」

   KIFMECは先月24日(2015年9月)に行った会見で、生体肝移植手術の継続を発表した。外部から経験豊富な移植外科医のサポートを受けるなど、一定の条件を満たしたことで手術体制はおおむね整えられたというのが理由という。その場しのぎのような対策で営利目的の医療産業化を進め、これまで通り海外からどしどし患者を受け入れるのは許されるのか。日本人の医療対する倫理、節度が問われている。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2015年9月30日放送「なぜ5人は死んだのか~生体肝移植の光と影~」

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