若者を信頼しよう!高校で始まった「主権者授業」中立性に戸惑う教師・・・生徒たちは「とにかくいろいろ知りたい」
神奈川県立湘南台高校「まず教師が逃げるのはよそう」集団自衛権を授業で取り上げ
NHKが全国の公民科教員を対象に行ったアンケート調査で、「授業で政治を扱う際に『政治的中立性』を担保できるか」と尋ねたところ、7割の教員が「戸惑い・不安を感じている」と回答した。「教員の発言に保護者からのクレームが寄せられる心配がある」「中立でない、変更していると誹謗されたり、政治家が教員の処分を叫んだりしないだろうか」などの意見が添えられていた。
しかし、黒崎先生はあきらめなかった。「学校が政治的論争問題から逃げてしまうことによって、生徒を白紙の状態で出してしまうことになります。むしろ、教員が多様なものの見方を示してあげることで、社会に出たときに主体的に公正に判断できる力を身につけることができるのではないかおもうんです」
授業で扱うことについて他の先生の理解を求めた。湘南台高校では、授業の進め方はこれから検討するとして、来月から集団的自衛権の問題を扱うことに決めた。
国谷の「中立性とは何か。どうやって担保できるんでしょうか」という疑問に、2人のゲスト出演者が次のように答えた。増田寛也・野村総研顧問は「政治的問題であればあるほど難しいですが、どういう問題であるにせよ、多様な意見があって、きちんと生徒たちに伝えていく必要があると思います。過度な干渉をするのはよくない」と話す
西田亮介(東京工業大准教授)「(湘南台高が)一番良いケースと思います。ただ、どこの学校でも展開できるかとなるとやや不安がりますね。どういうコードに引っかからなければ教員の責任が問われないか、政治家からの圧力やプレッシャーがかかりにくくすることができるかを考える必要があります」
70年ぶりの大改革という割には慌ただしい主権者授業だが、来年の参院選挙を控え教える側も教わる側も走りながら考え、学ぶしかないようだ。
*NHKクローズアップ現代(2015年10月21日放送「政治に関心ありますか?~『18歳選挙権』導入へ~」)
モンブラン