2024年 5月 2日 (木)

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戦死もできない自衛官!戦地でまともな救護・救命も受けられない拙速安保法

   『週刊朝日』の「自衛官の『戦死』今そこにある危機」はこんな描写から始まる。<11月3日、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)であった入間航空祭には、約20万人(主催者発表)もの航空ファンが詰めかけた。(中略)だが、祝祭ムードとは対照的に、会場の片隅に設けられた『自衛官募集』のブースだけは、人影がまばら。採用説明会のテントの下にはパイプ椅子が並び、迷彩服姿の担当者が手持ちぶさたに座っていた>

   今夏、2015年度の自衛隊一般曹候補生(下士官)の応募者は前年度から約2割減り、過去9年間で最少になったという。安全保障関連法成立で自衛官が戦闘に巻き込まれるリスクが高まったことと関連しているのではないかと週刊朝日は書いているが、当然であろう。

   しかも、危機はすぐそこまで迫っているのだ。自衛隊が南スーダンで実施している国連平和維持活動(PKO)の任務に、来年(2016年)11月の派遣部隊の交代時に、今回の法改正によって合法とされた「駆けつけ警護」を加えることが検討されているからだ。

   <「『警護』といっても、実体は戦闘にほかなりません。2ケタ単位、最悪3ケタ単位の死者が出ることもあり得る。(中略)自衛隊は諸外国の軍隊のように救急救命制度が整っておらず、医師法や薬事法の制約で衛生兵による現場での治療や薬の投与も十分にできない。演習場近くに治療施設のある普段の訓練時とはまったく状況が違うのに、命を守る備えができていないのです」(元陸上自衛隊レンジャー部隊の井筒高雄氏)>

   拙速に法律を作ったため、肝心の細部を詰めていないから自衛隊員は戦地で自らを守ることができないというのである。

   さらに、戦地で自衛隊員が死んだとしても、戦死という言葉は使えず、靖国神社に合祀されることもない。そのために、市ヶ谷の防衛省の敷地内に大規模な式典も行える慰霊碑地区(メモリアルゾーン)がつくられ、これまでに事故などで殉職した1800人以上の自衛官の銘板が納められているそうで、ここに祀られる可能性が高いそうだ。日本の国を守るためではなく、米国のために日本も血を流さないと対等な立場になれないという理由では、自衛官が死を賭してでもという大義にはなり得ないはずである。

   公務中の死亡には遺族年金や国から弔意・見舞金が支払われる。現行では最高限度が6000万円だが、イラク派遣時には例外的に9000万円に引き上げられた。だが、死者が増えるとアメリカのように、戦死者の弔慰金が1200万円程度にコストカットされないとも限らないのである。自衛官のほとんどが入っている「防衛省職員団体生命保険」は、原則として「戦争その他の変乱によるとき」は保険金が支払われないことになっているそうである。

   こうしたことも見直さずに、頼むから米国のために死んできてくれといわれても、わかりましたと行く自衛官がどれくらいいるのだろうか。否、どんなに「補償」が完備されたとしても、大義のない戦争へ自衛隊を行かせることなどあってはいけない。今すぐにでもこの法案を廃案にすべきである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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