2024年 5月 4日 (土)

「投資移民」東京都心マンション爆買い!経営管理ビザ利用して永住狙いの中国富裕層

PM2.5蔓延など大気汚染に嫌気して中国脱出

   国谷「日本にとって買って欲しくない場所もあると思うのですが、日本には全体像を把握する仕組みはあるのですか」

   愼参与は「残念ながら日本にはそういった仕組みはまだありません。地方自治体が条例で網掛けはしていますが、規制が厳しいわけではありません。天然資源や水資源はある程度の網掛けは必要と思うのですが・・・」といって、英国の例を紹介した。英国では不動産購入した時点で登録が義務付けられており、誰がどういった不動産を購入したかデータベース化によって管理ができているという。

   さらに、最近は不動産投資を通じて日本への永住権を取得する「投資移民」の存在も浮上している。日本には投資移民そのものの制度は存在しないが、代わって在留ビザの一種として「経営管理ビザ」がある。日本で事業を立ち上げ、軌道に乗って10年間ビザを更新し続ければ永住権を申請できる仕組みだ。

   米国では50万ドル以上の投資をすれば永住権が付与される制度があるが、最近は制度の見直しに入っている。カナダも同様の制度があったが、連邦政府が昨年取り止めている。日本の経営管理ビザ取得は甘いらしく、PM2.5に象徴される大気汚染に嫌気した中国の富裕層などが、このビザを通じて永住権取得を目指す動きが増える一方という。そうした動きにどう立ち向かうのか、日本政府の対応はまだ見えてこない。

*NHKクローズアップ現代(2015年12月2日放送「東京を買う中国マネー~不動産爆買いと『投資移民』~」)

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