2024年 5月 2日 (木)

マイナス金利で金庫が売れる!?銀行に預けるよりタンス預金

欧州では100万円1年間預けて預金者が1250円支払い

   一足先に「マイナス金利」を導入した欧州の国々が、効果と副作用の両方を見せていた。4年前にマイナス0・65%にしたデンマークの首都コペンハーゲンは、ビルの建設ラッシュだった。80平方メートル、6000~7000万円の住宅が売れ筋という。住宅ローンにマイナス0・32%というのも現れた。ローンを組むと利息が入るのだ。賃貸より買った方が安いことになり、マンション価格が45%も上昇してニューヨーク並みになり、ついに普通の人は買えなくなった。絵に描いたような不動産バブルだ。

   昨年、マイナス0・75%を導入したスイスは、銀行収益の悪化で預金者にしわ寄せが来ていた。預金者3万人のABS銀行は預金金利をマイナス0・125%にした。100万円を1年預けると1250円払わないといけない。銀行は「収益が悪化して、1年分の利益の相当するくらいの負担になり、やむをえなかった。口座を閉じた人、他行へ移った人もいた」という。

   そこで、いま売れているのがタンス預金用の金庫だ。高額紙幣も増刷中というから、まるで漫画だ。それでも経済全体では景気刺激効果は出ていると中窪氏はいう。

   さて日本ではどうか。中窪氏は「銀行のマイナス金利はない」という。銀行は昨年、最高益を更新して体力がある。また、日銀に預けているのはほんの一部なのだと。ただし、不動産バブルには警戒が必要だと指摘する。

   そもそも経済政策に100%の正解なんてありえない。だから、政治家も経済官僚も、たとえ間違えても責任も取らずにのほほんとしていられる。日本国民はお上に甘いからなおさらだ。

*NHKクローズアップ現代(2016年2月18日放送「異例のマイナス金利~経済・暮らしはどうなる~」)

ヤンヤン

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