「僕らは達成できないのわかってた」燃費目標引き上げで三菱自の開発現場・・・幹部指示に逆らえず
2016.05.20 13:49
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まるで他人事の相川社長「塀のなかの懲りない面々だよ」
性能実験部の元社員は「実態を顧みないまま目標だけが先走り、誰もそれに異を唱えることのできない空気が問題の根源にあると感じています。どこかで歯車が狂い、ノーと言えない組織の弱さというか、それが多分にありました」と話す。
久保田祐佳キャスター「視聴者から自動車メーカーはなぜ燃費にこだわるのかという質問をいただいていますが・・・」
自動車ジャーナリストの清水和夫はこう答えた。「1997年の京都議定書以降、CO2の問題が社会的に捉えられ、政府もエコカー減税を導入しました。1グラムでもCO2を下げることがメーカーにとって条件になっていったんです」
辞任を表明した相川社長は、2004年の2度目のリコール隠しが発覚したときは三菱自開発本部のセンター長だった。この時の聴き取り調査で、相川社長はこう答えている。「岡崎(技術センター)にいる社員は狭い中で仕事をしている。この敷地に中だけクローズされていて、僕がよく言うのは塀のなかの懲りない面々」
三菱自はこの時に企業体質を改め、再生を誓ったはずだったのだが、結局、10年たっても体質は変えられなかった。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代+(2016年5月18日放送「三菱自動車『燃費不正』の真相」)