円楽師匠と春香クリスティーンがお江戸・深川タイムトラベル!長屋暮らし体感
大トロなんて捨ててた江戸庶民の暮らし
江戸資料館のタイムトラベルから一歩外に出ると、そこは21世紀の深川です。深川不動堂の仲見世には江戸の名残のようなお店が40軒も軒を並べています。おせんべい屋さん、佃煮屋さん、どら焼き屋さんを冷やかし、2人が入ったのは和菓子屋さんで、「冷やし甘酒」という看板があります。
円楽「江戸時代は甘酒は夏の飲み物だったんだよ。米こうじから作るからアミノ酸たっぷりで、甘いでしょ。疲れが取れて夏バテ対策だったの」
いまはシャーベット状になっていて、1杯300円でした。
「深川といったらこれを食わなきゃね」と円楽師匠が永代通りをてくてく歩いて案内したのは1軒の日本料理店でした。ご店主が持ってきたのは「深川めしです。昔ながらのぶっかけ」。あさりの味噌汁をご飯にかけただけのものです。「深川はすぐそこまで海で、あさりがいっぱいとれたんだよ。前の晩に炊いた冷や飯と味噌汁の残りにむき身のあさりを入れて、ひと煮立ちさせてぶっかけたのがこれなの。漁師めし、早い話が、漁師の朝飯だよ。これに対して、あさりを炊き込んだのは大工めし」
次はねぎま鍋が出てきました。マグロと長ねぎを煮たものですが、すべて大トロだそうです。クリスティーンが「贅沢ですねえ」と驚いていると、円楽師匠が「ちょっと前までは、トロなんて脂身だから食べなかったんだよ」
でも、捨てるのはもったいないと鍋に仕立てたのですが、脂が口に残るのでねぎでさっぱりさせたのだそうです。「おじいさんの頃はね、脂身、いまじゃ大トロだね、あれは家畜のエサかまかないだったんだよ。決して、お客に出すものじゃないと言われたものさ」(ご店主)
下町はそろそろ軒先で風鈴が鳴り出す季節です。そんな夏の江戸情緒いいものですよ。(6月12日よる9時)
涼