2024年 5月 6日 (月)

超高層ビル、ネット社会を雷直撃・・・避雷針で防げない被害拡大

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雷がネットに侵入し電子機器を破壊

   松村「スマホやコンピュータなどで電子化された社会が危険にさらされています」

   80人の透析患者がいる長野県安曇野市の病院で今年(2016年)8月、機器10台が突然ストップした。非常用発電機に切り換えたが、異常を知らせるアラームが鳴り続け、機器は作動しなかった。当時、周辺は激しい雨と雷で停電していた。ちょうど患者を入れ替えるタイミングで被害はなかったが、深刻な事態になりかねなかった。

   病院はメーカーの担当者から雷の異常な電流が原因との説明を受けた。「雷サージ」といい、落雷の周囲に電磁波が発生し、建物に侵入して電子機器に影響する。水上悦子院長は「ぜんぜん考えていなかった。ゾッとしますね」と振り返る。メーカーはNHKの取材に調査中としている。

   緊急時に避難を呼びかける自治体の防災行政無線も、平成24年の1年間に240件以上の被害を受けた。今年8月、前橋市の小学校にあった無線が半年間つかえない状態で放置されていたことがわかった。市は市内85カ所の対策を検討し始めた。

   妹尾さんは「コンピュータがすべてを制御する社会はネットワークでつながっているから、雷が全部に入り込む有雷社会でもある」と語る。コンピュータによるリスク対策そのものがリスクにさらされ、0.02秒あるかないかのうちに機器が止まる「瞬停」に警戒が必要という。

   東京練馬区の総合病院は昨年、200万円をかけてブレーカーに避雷器をとりつけた。京都の清水寺はケーブル150回線に2000万円で避雷器を設置した。ただ「中小では対策が進まない実態があります」と島川記者はいう。

   「雷は天災と考えられていたが、ビルや情報機器が被害を増やしている。防ごうと思えばできるのにやらないのは人災だ」と、妹尾さんは警告する。

   コスト勘定だけを優先して危険な超高層ビルなんて、まっぴらだ。

あっちゃん

   *クローズアップ現代+(2016年12月5日放送「稲妻が超高層ビルを襲う ~明らかになる〝雷クライシス〟」

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