52歳の若さで逝った歌姫しのぶ豊富なエピソード 歌のうまさにも感服
〈歌姫伝説美空ひばり生誕80周年記念SP~昭和歌謡パレード~〉(BSフジ)

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   在庫放出のようなひばり特集は食指も動かず見たことのなかった筆者が、ビートたけしのひばり記念館訪問につられて見たら、内容がなかなか面白かったのだ。息子の加藤和也(ひばりプロ社長)がたけしファンだったらしく、子供の時、四谷のたけし所有の居酒屋に、ひばりが1人で来た。「美空さんという人が1人で来ています」と店の者。扉から覗くと確かにひばりが1人で座っている。

   ひばりはたけしを寿司屋に連れていき、そのまま自宅に誘った。たけしがトイレに立った時、彼は和也に「お母さんが偉いと大変だな」と言ったという。その言葉を和也は今でも忘れられない。大スター同士の相通じるものがあったのだ。頂点の孤独とでもいうか。たけしはああ見えても非常に繊細な芸術家肌の男、鋭い言葉である。

   布施明はひばりが生きていたら、「80歳で色っぽかっただろう」と残念がる。世代の違う男性の見方としてユニークである。子役時代から少年役も演じたひばりを、大向こうはあまり「色っぽい女」としては見てこなかったから、この表現はめずらしかった。

   ひばりが30歳当時の色あせた映像も披露されたが、歌は異様に音程が正確で、鼻濁音も完璧。英語は喋れないのに発音はネイティブ並み。52歳という若さで逝った歌姫の、50年前の過去映像で2時間番組を構成し、なかんずく、遺産で食っている遺族を未だに潤している彼女は、空前絶後の存在としか表現できないだろう。

   (放送2017年6月10日19時~)

(黄蘭)

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