2024年 4月 19日 (金)

東京都議選で「都民ファースト」が圧勝、小池支持勢力が過半数突破 自民は歴史的な惨敗

   都議選は、まさにアッと驚く結果になった。小池都知事が代表を務める「都民ファーストの会」は公認候補50人のうち、島嶼部の1人を除く49人が当選。推薦した無所属6人を追加公認して55と第1党に。23人全員当選の公明と合わせて、過半数(64)をはるかに超えた。一方の自民は、公明と同数の23議席に転落。幹事長、議会議長も落選する歴史的惨敗となった。

   小池知事は2日(2017年7月)午後8時から、「都民」の開票速報会場に陣取り、当選者に緑のバラをつけて行ったが、出口調査などから、開票と同時に当確が出始め、ボードが埋まって行った。一方の自民党は、開始から1時間半経ってもバラがひとつもない状態。複数選挙区でようやく、といった状態だった。

   共産党はプラス2で19議席。民進党は2減で5議席。生活者ネットワークは1減の1議席。維新の会は1議席を守った。

安倍首相に「帰れ」コール

   この自民への逆風は暴風になった。それを象徴する光景が、選挙戦最終日、秋葉原に現れた安倍首相の締めくくりの演説で繰り広げられた。「帰れ」コール、「安倍辞めろ」コールで、演説が聞こえないほど。選挙が終わってやっと報道された。

   ここに、森友学園の籠池泰典・前理事長夫妻がいた。籠池氏は、「100万円を返しに来た」と封筒の札束を見せる。私服の警官が「混乱を避ける」として籠池氏を強引に群衆から引き離したが、籠池氏は、「100万円渡したと言え~、嘘つく総理はもういらんぞ~」、諄子夫人も「携帯と財布を返せ、安倍のドロボー」などと叫んでいた。

   暴風の元は、加計学園問題、豊田真由子議員の秘書への暴言、稲田朋美・防衛相の失言......投票率は51.28%と、前回(2013年)より7.78%もアップした。小池氏の「敵」が消えていった。

   川井重勇・都議会議長も落選して、引退を表明した。小池知事の挨拶に記念撮影を拒んだ人だ。高木啓・幹事長も落選した。引退した都議会のドン、内田茂氏が若手の中村彩氏(27)を立てた千代田区は、小池氏が立てた樋口高顕候補との「代理戦争」と言われたが、敗れた。

   その中村氏は、「自民党が正さなければいけないものを感じた。公人になる人たちが国民の信頼を失うことをしている。情けない。ワキが甘いなって思いますね」と言っていた。都連幹部は、暴風の意味もわかっていなかったようだ。

   下村博文・都連会長は、自身が逆風に巻き込まれた。週刊文春に「加計学園からのヤミ献金疑惑」を報じられた。地元板橋からは、元秘書3人が立候補していた。2人は自民から、1人は「都民」からだったが、「都民」の平慶翔氏が勝った。惨敗の責任を取って、下村氏は会長辞任を表明。他の幹部も続くとみられる。

   小倉智昭「この結果、どうご覧になります?」

 

   小池知事の参謀、若狭勝衆院議員は、「選挙前、小池支持が落ちたが、選挙が始まると、この結果を想定できる状況になった」

   小倉「ここまで開くと思ってましたか?」

   時事通信の田崎史郎氏は、「思わなかった。午前の段階で35の読みだったのが、午後の出口調査で最低が22だったので青くなった」

   小倉「夜の9時頃まで自民党の当選、当確者がいないなんてね、見たことがない」

   「安倍辞めろ」コールにも驚いた。不満の受け皿がしっかりとあれば、票は動くということを示した選挙だと思うが、野党はわかっているだろうか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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