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東芝崩壊させた「自分最優先」の戦犯経営者・・・肩書きコレクションやラグビー三昧
週刊現代から2本。まずは長文のノンフィクション「東芝崩壊 7人の戦犯たち」から。筆者はジャーナリストの大鹿靖明。内容はこれまでも散々書かれてきたが、西室泰三社長から始まった「無能」な社長たちが、この巨大な組織を崩壊させたのだ。大鹿の結びの言葉を紹介する。
<東芝は、経営環境の激変や技術革新の進化に追いつけず、競争から落伍したわけではなかった。突如、強大なライバルが出現し、市場から駆逐されたわけでもなかった。その凋落と崩壊は、ひとえに歴代トップに人材を得なかったためであった。彼らは、その地位と報酬が20万人の社員の働きによってもたらされていることをすっかり失念していた。肩書コレクターの西室、ラグビー三昧の岡村、どっちが一番か競い合った西田と佐々木、社員や株主のことよりも、みな我が事が最優先だった。それが東芝の悲劇であった>
自分ファーストの社長ばかりがいて、社員やその家族のことなど考えもしなかったのである。どこぞの首相や都知事に似ている。巨大な組織は内から崩れる。日本という組織も、政治という内部から崩壊が進んでいること、東芝と変わるところがない。
次は「孫正義と柳井正が語りあった『これからのビジネス』」。孫と柳井が東京・有明で対談したそうだ。さわりだけを紹介しておこう。
<孫 人間の存在意義はなんだろうって、いまから30年間で何度も何度も問われる。まさにそういう時代に我々は生まれてしまったということだと思います。だから、本当にいまから考えていかないといけない。幸せってなんだ、労働ってなんだ、と。
そういうことを考え抜いて、人の幸せのために何かをクリエイトして、人と共感することを大事にするような人が良いということになるのだけれど、一方でまずはハイテクの武器の部分については持っていないと話にならない。そういう意味では、ぜひ両方を極めてほしいですね。両方極めなければ、突き抜けたリーダーシップを発揮できない。我々はそういう時代の交差点にいます。
柳井 人工頭脳などのデジタル技術や、ソフトウェアやプラットフォームなどはもう全部あるんです。だから、それを自分たちでどう使って、新しい産業を作るか。その中で、自分はどの分野で能力を発揮できるか。あるいは、すでに世界中にいる優秀な人といかに一緒に仕事ができるか。そんな技術と人材を使える人たちが生き残ると思う。
10年経ったら世界の産業地図は様変わりをしている。また30年経ったら、たぶん、想像できない世界になっていると思います。その未来を構想できる人が生き残れると思うし、それは若い人>
とまあ、こんなやり取りがある。私は、あと30年や60年ぐらいで「想像できない世界」になっているとは思わない。人間なんてそんなに進歩していない。今の延長線上で、少しずつ変わっていくとは思うが、それはこれまでとはまったく違った変化ではない。ツールは変わっても人間は変わらない。そこにこそ「視点」を置くべきだと、私は考える。