投資には絶好の「適温経済」? 高まる期待にひそむ想像を絶する危機
2018.01.16 14:41
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世界の負債総額は1京8000兆円、統制不可能は天文学的額
世界的投資家のジム・ロジャース氏は「大規模な金融緩和がいずれ危機につながる」と言い切る。世界の負債総額は今や1京8000兆円と、天文学的な数字に達した。「問題が起きたら、想像を絶する事態になる」
熊谷氏は中国を心配する。国内総生産の倍近い借金を抱える中国は、日本のバブル崩壊寸前と似ている。中東の混乱から原油高になる危険も警戒を要するという。
中空氏が問題にするのは、ジャブジャブにあふれ出たカネの行方だ。「ファンドとかに資金が流れると、政府の管理がゆきわたりません」。何か起きた時には遅いかもしれない。
では、いま日本がやるべきことは?
AI開発や設備投資などを通じて「日本全体が稼ぐ力をつけ、すべての人に富が回るようにすることです」と、中空氏は指摘する。熊谷氏も人口や社会保障対策、既得権打破などの構造改革を「短期的改革に甘んじずに中長期で進めよう」と強調する。ケネディ元米大統領の「太陽が出ているときに屋根を修理するべきだ」という格言が説得力を持ってくる。
好景気の中で膨らみ続けるリスク。被害をこうもるのは、たいていの場合、もうけに躍る投資家よりも一般庶民だ。だれのための社会にするか、まずはしっかりと位置付けて対応してほしい。