2024年 5月 25日 (土)

総好かんトランプ支えるキリスト教「福音派」中絶・同性愛認めぬ聖書忠実主義

アラブのパレスチナ離れ見透かした「エルサレム首都宣言」

   パレスチナの現地は意外なことになっていた。「首都宣言」の直後、1000人以上の抗議デモがあったベツレヘムでは、ペンス副大統領がエルサレムを訪た21日(2018年1月)、フェイスブックで呼びかけても人が集まらず、デモは中止になった。分離壁の監視塔に石を投げる若者がわずかにいるだけだった。

   抵抗運動のリーダー、ムハンマド・マスリーさんは無力感を抱いていた。「宣言直後のデモの勢いはすぐになくなってしまった。人々は不安を抱いている。孤独です。世界に見放されたような感じです」と話す。

   80年代、アラファト議長の下で燃えたインティファーダ(民衆蜂起)の熱気はもはやない。和平は進展せず、国家樹立もならず、抗議行動に疑問を持つ人が増えているのだ。「私たちは戦い方を考え直さないといけない」

   アラブ諸国も関心を示さない。暫定自治政府のアッバス議長は「アラブ諸国では誰一人としてエルサレム問題で抗議の声を上げてくれない」と嘆く。「アラブの春」以降、アラブ諸国の政治地図も大きく変化したのだ。

   放送大学の高橋和夫教授は「閉じかけていた和平の門がさらに閉じてしまった。パレスチナの人たちは絶望感にかられていると思います。でも、アメリカもしっぺ返しを受けるでしょう。テロの激化、親米政権の不安定化で、ますます中東が見えなくなるのではないかと心配です」という。

*NHKクローズアップ現代+(2018年1月24日放送「トランプ大統領 禁断の"首都宣言"~揺れる聖地・エルサレム~」)

文   ヤンヤン
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