2024年 5月 5日 (日)

「終の住処」追い出される一人暮らし高齢者・・・賃貸住宅・アパート老朽化で取り壊し

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北九州では孤立死なくす活動

   政令指定都市で最も高齢化が進む北九州市では、NPOが新たな仕組み作りに挑んでいた。不動産会社と家賃債務保証会社との連携にNPOが加わり、NPOが高齢の一人暮らしの「見守り活動」で孤立死を未然に防ごうというのだ。NPOの担当者が絶えず訪問して、食事を摂っているか、体調に異変がないか。話をしながら冷蔵庫の中身まで確認する。「万一の時は電話してください。遠慮しちゃダメですよ」と言い残す。

   保証会社も自動音声による安否確認の電話をかける。「異常がなければ1を押してください」。異変があればNPOに連絡が入る。こうして孤立死への不安を解消し、住まいを確保する戦略である。NPOの代表は「かつては家族が補っていたものを社会的連携で補う」のだという。

   東京で住宅支援のシェルターを運営する「つくろい東京ファンド」代表の稲葉剛さんは、「課題は見守りの人の人件費。こういうものこそ行政の補助が必要です。福祉政策と住宅政策を融合させることだ」という。

   国は昨年(2017年)、空き家改修に補助金を出して、半公営・半民間の低家賃住宅を確保する施策を打ち出した。賃貸住宅を自治体が支えるという新しいアイデアだ。平山教授はアイデアはよしとするが、「政策のスケールが小さい」と指摘する。必要なのは低家賃住宅、補助制度、入居支援だ。「住宅保障は所得保障より貧困対策になるんです」

   札幌の共同住宅の火災で死んだ11人は、生活困窮者や身寄りのない人たちだった。「長生きしたのが悪かった」といわせる社会とは何なんだろう。

   *NHKクローズアップ現代+(2018年2月1日放送「思いがけない退去通知 あなたも住宅を追われる!?」)

文   ヤンヤン
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