生きていく力育めない現代ニッポン
いびつで滑稽な万引き家族だが、血縁の親兄弟からでなくとも、ありのままの自分を受け止めてもらい、肯定されて生きてこられた彼らは強い。たとえ家族という形態が崩壊したとしても、それぞれの道で生き抜こうという揺るぎない力が、彼らにはすでに備わっている。
考えてみれば、そのような人生でもっとも必要な力が、いったいどれだけの血縁家族の中できちんと育まれているのだろう。彼らこそが家族として「本当」なのではないか。ラストシーンの受け止め方は観た人それぞれだろうが、彼らのその後の人生は決して悲観すべきものではないように感じた。
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