イチロー、桑田を育てた漫画「ドカベン」46年・・・超人じゃないからカッコいいヒーローたち
水島新司氏の野球漫画「ドカベン」が、28日(2018年6月)発売の「週刊少年チャンピオン」で、46年にわたる連載の幕を閉じた。明訓高校の四天王のドカベンこと山田太郎、里中智、岩鬼正美、殿馬一人を中心に、個性あふれる登場人物が甲子園を目指して繰り広げるドラマが、少年たちの心をつかんだ。武田真一キャスターも「毎週、チャンピオンを買ってました」という。
明訓高校は計4回甲子園で優勝して、1982年に休載となった。その後、4人がプロ野球パリーグのチームに所属するプロ野球編で連載を再開した。元中日投手の山本昌はここに登場して、岩鬼にホームランを打たれていた。「エースが怪物じゃないところがいい。弱々しいが、実は芯が強い。かっこいい」と話す。漫画に登場したのは、「試合の後の風呂で、仲間から聞いた。決め球のスクリューボールを打たれてました」と笑う。
落合博満「リアリティーがあった」
作者の水島は「46年は長いが、キャラクターに囲まれて、毎日楽しく描いてきました」と語る。この漫画に夢中になり、プロになった選手も多い。
イチロー「少年時代の愛読書でした」
桑田真澄「夢を持つこと、友情など、ドカベンに教えられた」
落合博満「魔球とかではなく、ドカベンにはリアリティーがあった」
原辰徳「親近感が持てました」
「ドカベン」とあだ名された香川伸行は2年前に亡くなったが、生前、「主人公が自分の人生をバックアップしてくれました」と話していたという。
水島の野球仲間が集まる居酒屋が、東京・四谷にある。「ドカベン」や「あぶさん」など水島の漫画が溢れる中で、客は「岩鬼の真似をして、葉っぱをくわえたりしたなあ」「秘打白鳥の湖とかね」などと、連載終了を惜しんでいた。