2024年 4月 26日 (金)

「万引き」「痴漢」がやめられない!WHOが精神疾患と認定・・・ストレスや心の傷から逃れようと繰り返し

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   万引きや痴漢などで逮捕され、処罰を受けても再び犯罪に走る人たちには、精神疾患が潜んでいることが明らかになってきた。WHO(世界保健機関)は金銭目的でないのに盗みを繰り返すケースを「窃盗症(クレプトマニア)」と認定し、性的満足感を得られないにもかかわらず、痴漢などの性犯罪を繰り返すケースも、「強迫的性行動症」の病と認める方針を発表した。いずれも、ストレスや心の傷がきっかけで病み付きになり、自分では治せない症状まで悪化する。

   警察庁によると、2017年に把握された万引きは約11万3000件、痴漢は約3500件だった。被害者が声を挙げなかったなどを含めると、実態はこの10倍以上という見方もある。検挙事案のうち万引きは2割、痴漢は8割が再犯という。

「窃盗症」「強迫的性行動症」

   万引きで5回検挙された40代の女性。初めての万引きは4年前で、10年以上働いていた勤務先を人間関係のトラブルで退職したときだった。将来への不安から鬱々と過ごしていたある日、コンビニで300円のスイーツに手が伸びた。

   「家に帰ってもドキドキしたまま、どうしようかって。盗ってしまった、どうしようかと思い悩み、このときは落し物と言ってコンビニに5000円を渡した」と話す。ところが、「盗ったという行為がうれしいというか、魚釣りで魚が引っ掛かったみたいな感覚を感じて、不安定な気持ちになると衝動的に万引きを繰り返すようになっていった」という。

   ついに逮捕され、1年半服役した。2度とやるまいと誓ったが、出所後に再び万引きの衝動に駆られ、懸命に抑え込む苦しい日々が続いた。とうとう抑えきれず、また万引きして逮捕された。

   その時に弁護士に勧められて精神科医を受診し、「クレプトマニア」(窃盗症)と診断された。赤城高原ホスピタルの竹村道夫院長はこう解説する。「トラウマの体験があるとか、何らかの心の傷を受けている方が多いですね。達成感とかスリルに取り付かれ、それに依存するようになるんです。人によっては、夢の中でも窃盗のことを考えています」

   妻子ある38歳の男性は「強迫的性行動症」だった。痴漢行為が止められず、2回検挙された。初めて痴漢を行ったのは24歳の時だ。「会社から大きなプロジェクトを一人で任され、仕事がどんどん立て込んで来て、どうしようどうしようって頭がパンパンになっていた時だった」と振り返る。

   それをきっかけに、仕事でプレッシャーを感じると痴漢行為を繰り返すようになった。現行犯逮捕され、執行猶予付きの判決を受けて、それからはなるべく自宅にこもり、痴漢行為を止めようとした。しかし、4年が過ぎたある日、電車の中で強い衝動に駆られ再び痴漢行為に走ってしまった。

   「周りに迷惑をかけ、被害者に迷惑をかけ、悪循環というか、負のスパイラルというか、どん底に落ちていく感じがして、医療機関を受診しました」。そこで自分の意志では治すことのできない病気と診断された。

文   モンブラン
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