2019年 10月 23日 (水)

「樹木希林」最期まで書き続けた直筆手紙―人々を勇気づけたきれいごとでない言葉

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   先日、75歳でなくなった俳優の樹木希林は、晩年はがんで入退院を繰り返す闘病生活を送りながら、交流のあった人たちや若者らに直筆の手紙や文章を数多く残していた。

   北海道・旭川の中島浩幸さんはイベントで樹木と知り合い、互いの家を行き来するなど交流を続けた。激しいいじめにあった経験のある中島さんは、子供のいじめをなくす活動に取り組んでいて、2年前、樹木にいじめをテーマにメッセージを書いてほしいと頼んだ。樹木は目の前で、がんの痛みに耐えながら、3時間かけてこのような手紙を書いた。

   「ひとりひとり違って生まれる。当然、差別がある。いじめはちがいから起きる。わたしも人をいじめたし、いじめられたし。それを亡くそうたって――ねえ。はてしのない道のりです」「追伸 じゃあさ皆で同じ形のロボット人間に――それじゃつまりませんネエ」

   自分もいじめをしたと認めるなど、きれいごとではないまっすぐな言葉が中島さんの心に響いた。市内のすべての中学校に樹木のメッセージを配った。

   中島さんはこう語った。「(樹木さんは)一筆、一筆、命がけで書いてます。体があちこち痛いのに、書くわけですから」「包み隠さず、本当に真実で、ウソを言わないで生きている人だ」

   樹木は2年前に長野・上田の成人式に出席した。新成人25人の将来の夢や目標を事前にアンケートで聞いたうえ、一人一人に異なる内容の手紙を手渡した。また、映画のモデルになった女性に撮影終了を知らせる手紙を送ったりもしていた。

「いろんな形で恩返ししたい」「ちょっと何か手助けできたらいいなって」

   樹木は2015年に多くの手紙をつづっていることをこう語っていた。「もう70歳過ぎたんだから、いろんな形で恩返ししたい」「才能ある人なのに、生きづらかったり、切羽詰まったりしてる人を見たときに、ちょっと何か手助けできたらいいなって」

   武田真一キャスター「樹木さんは自分に残された時間はそう長くないと自覚していたといいます。がんと闘いながらも人生の恩返しに人々を励まし続けたい。そんな最後の思いが、直筆の手紙から伝わってきます」

   樹木と30年以上の交流があった何必館・京都現代美術館の梶川芳友館長はこう話した。「死ぬということは、人のなかに生きるということ。そして自分のなかに逝った人を生かし続ける。そういうことではないか。樹木さんとは、そのような話を何度も、よくしたと思います」

NHKクローズアップ現代+(2018年9月25日放送「秘話 樹木希林さん 直筆の手紙」)

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