2018年 10月 23日 (火)

<チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛>
お話は昼メロ並みだが・・・見たらおつりがくるヒロインの美しさと成り金オヤジの滑稽芝居

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   およそ400年前のオランダでは、オスマン帝国から輸入されたチューリップが爆発的な人気を呼び、人々はチューリップ投資に熱狂していた。チューリップの価格は跳ね上がり、品種によっては、球根ひとつに邸宅1軒分の値段が付いた。

   しかし、突如、球根の価格が100分の1以下に暴落し、オランダの経済は大混乱に陥る。世界最初のバブル経済のパンクと言われる「チューリップ・バブル」を背景にした恋愛時代劇である。

   貧困から抜け出すために成り金に嫁いだソフィア(アリシア・ヴィキャンデル)は、年の離れた夫コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)が子どもを欲しがるため、毎晩のように愛のないセックスを強いられていた。

   そんなある日、コルネリスは夫婦の肖像画を描かせるために画家ヤン(デイン・デハーン)を雇う。ヤンとソフィアはたちまち恋に落ち、密会を重ねる。そして、画家では食えないヤンはチューリップ投資で一攫千金を狙い、ソフィアと駆け落ちすることを計画するのだった。

フェルメールの絵のようなアリシア・ヴィンキャンデル

   男女の情熱的な恋がエスカレートし、周囲を巻き込んでいくという展開とラストは目新しい要素もなく、昼ドラのような凡庸さだが、役者たちの存在感は際立っている。

   スウェーデン出身の美女アリシア・ヴィンキャンデルは、この時代に活躍したフェルメールの絵のような妖艶な美しさで、それを見るだけでも価値がある。デイン・デハーンは甘いマスクでありながら、厭世感を漂わす佇まいで、葛藤する青年を好演している。

   大富豪のコルネリスを演じたクリストフ・ヴァルツは、妻に献身的に尽くしながら、若い青年に寝取られてしまう哀れさと滑稽さを巧みに演じ、アカデミー賞を2度受賞した実力を示した。

   チューリップ・バブルが物語にさほど関係していなかったり、話がつながらない箇所があったりと、脚本には疑問符だらけだが、旬の役者たちの芝居を楽しむだけで十分といえる。

   妻とベッドインするときに、自分の下半身を「兵隊」と呼び、「出撃オーケー」などとはしゃぐクリストフ・ヴァルツのお馬鹿な芝居を楽しめれば、お釣りがくる。

丸輪 太郎

おススメ度☆☆☆

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