英会話どうして上達しないの?ロバート・キャンベルの体験的外国語習得ヒント
急増する外国人観光客や東京五輪・パラリンピックを控え、英会話の必要に迫られるケースが増えてきた。東京・秋葉原のメイドカフェでは、1か月約5000人が訪れる外国人客に対応するため、ネイティブスピーカーを講師に3か月間みっちり英会話の研修を行う。
メニューをすべてを英語化している天ぷらチェーン店では、4年前から社員向けに英会話教室を開くなど力を入れてきた。英語による細やかな対応が評判になり、いまでは客の8割が外国人だ。売り上げも5年前に比べ11%アップしているという。
海外勤務経験のある観光案内のタクシードライバー高松良徳さんは、外国人客の多いホテルからお呼びがかかり、毎回のようにチップがもらえる。さらに英語力に磨きをかけ、2年前には通訳案内の資格も取った。この資格があると1時間に2000円の特別手当が出るという。
田中泉キャスター「職場での英会話の広がりについて、事前に投稿を募集しました。病院、幼稚園、そして薬局など、幅広い場所で英会話の必要性を感じるという声が寄せられています」
これまで英語を必要としなかった職場でも、「海外からの電話にみんな電話口で困っています」「理容師ですが、外国人のお客さんが増えました。要望を聞くために英語が必要です」という書き込みがあったという。
言葉は試験や就職の道具じゃない
武田真一キャスター「日本語や日本文化に造詣が深い、ロバート・キャンベルさん(国文学研究資料館長)は、来日されて30年以上ご覧になってこられて、日本人の英語や外国人に対する態度はやはり変わってきているというふうにお感じになりますか」
キャンベルさん「大きく変わったと思います。字幕なしの動画を湯水のようにインターネットで見られるようになったこと、職場や教室、街の中で外国人と実際に接触することが圧倒的に増えていることから、オープンになってきたと思うんですね。
20年前、30年前は、地下鉄に乗っていて横に席が空いても、私の隣に座らないというぐらいに緊張していたんですね。やっぱり大きな変化があったように感じています」
武田「一方で、日本人の英語力というのはどういうふうにご覧になっていますか」
キャンベルさん「追いついていないですね。人と思いを伝えるということが、職場や教育制度の中で評価されてこなかったんですね。英語が試験に通るため、就職をするための道具として考えられているのを、まず改善しないといけないですね」