2019年 7月 16日 (火)

こんなパクリってアリか! ティラミスをめぐる商標戦争、日本では珍しい露骨さ

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   森圭介アナが、小さなビンを2つ見せた。どちらも「ティラミス」で、見た目も似ていれば、ビンについたマークも、猫がマスクをつけマントを羽織っているイラストも、名前までがかぶっている。SNSではたちまち「パクリだ」という声が上がった。

   おととい20日(2019年1月)東京・表参道にティラミス専門店「HERO'S」がオープンした。ビンに入ったティラミスが売りだが、すでにそっくりなものがあった。それが、森アナが見せたものだが、これがなんともややこしい。

「本家」の「ティラミス」が名前を使えない事情

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   そもそもは2012年に、シンガポールで創業した「ティラミスヒーロー社」のオリジナル、ビン詰ティラミスだ。アイマスクにマントの猫のキャクターには「Sir Antonio hero」という名前が入っている。2013年に日本に上陸するや、デパートや駅の売店で大人気となり、話題となった。

   一方、おとといオープンの「HERO'S社」は、2018年6月の設立。同8月にはブランド名の「ティラミスヒーロー」を商標登録した。シンガポール社は、日本での商標登録をしていなかった。そのため、「本家」の「ティラミスヒーロー社」は名前を使えなくなって、商品の名前も12月、「ティラミススター」「アントニオヒーロー」と変えざるをえなくなった、という変な話。

   「ティラミスヒーロー社」は先月(2018年12月)、公式サイトで、「私たちのオリジナルの『ブランドロゴ』がコピーされ、日本で使用できなくなってしまいました。大変残念です」と表明した。対する「HERO'S」はHPできのう21日、「ティラミスヒーローの商号・ロゴを取得しており、他者の商品とは関係ありません。混同に気をつけください」と書いた。「スッキリ」の取材にも、「特許庁が認めたものだ」という。

   いやはや、中国で日本のブランドの幾つかが、同じ手口で「本家」が使えなくなったのは記憶に新しいが、逆に日本で起こるとは驚きだ。

商標権は早い者勝ち、先に出願すれば通ってしまう

   著作権・商標権に詳しい弁護士の福井健策氏は、「商標権は国ごとで、早い者勝ちだから、先に出願すれば通ってしまう」という。ただし、著作権では、問題ありという。「HERO'S」社が「ティラミスヒーロー社」のロゴを丸々コピーして業務目的で使っているのは、著作権侵害になるという。

   加藤浩次「そういうルールはないんですか」

   福井氏「著作権に触れるものは、仮に登録が認められても、権利行使できない、という規定はある。こういうケースを想定しての条文」

   そもそも、認知度があるものは商法登録できないという規定もある。「ティラミスヒーロー」は13年から大人気なのに、なぜ登録できてしまったのか。

   福井氏「審査官も、ティラミスに詳しいわけではないので......」

   ロバート・キャンベル(東大名誉教授)「グーグルで検索すれば、一発で出てきますよ」

   福井氏「漏れちゃうこともある。リカバーは可能です。異議申し立て、無効審判請求とか」

   加藤「でも、それをしないで名前を変えちゃった」

   福井氏「通らないと思ったのかもしれない」

   この「HERO'S」を出願しているのは、「gram」という会社で、パンケーキやプリンで他の会社が販売したブランドや商品で商標を出願していることが分かったという。

   福井氏「中国ではよくある。が、日本は成熟国家じゃないですか。ここまで露骨なのは珍しい。これが認められたらいけない。知的財産権では気をつけましょうと言いたい」

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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