2024年 4月 16日 (火)

助けられた小さな命・心愛ちゃんを見殺した学校、教委、児相の無責任では済まない「幇助」

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   心愛と書いて「みあ」と読む。これだけを見れば、この娘の父親は、この子が生まれたことを心から喜び、愛しくて名付けたのだろうと思ってしまう。だが、心愛ちゃんはわずか10歳で、名付けた父親の暴力によって命を絶たれてしまうのである。

   鬼の父親は栗原勇一郎、41歳。妻のなぎさ(31)も、「夫の暴行を止めることもなく、消極的な幇助があった」とみなされ、傷害容疑で逮捕されてしまうのだ。

   週刊文春によれば、心愛ちゃんは千葉県野田市の自宅の浴室であおむけに倒れ、心肺停止していたという。<「勇一郎は心愛ちゃんを長時間立たせたり、冷水でシャワーを浴びせたりしたほか、首近辺を鷲掴みにして髪を引っ張るなどした。(中略)胃にはほとんど内容物がなかった」(捜査関係者)>

   栗原は沖縄で「沖縄観光コンベンションビューロー」に勤務していた当時、なぎさと知り合い結婚した。外では温厚でコミュニケーション能力も高いといわれていたようだが、家庭内では暴力がひどく、それが原因で妻は精神科に通院することになり、娘を連れて実家に戻ってしまう。離婚が成立したのだが、栗原が復縁を懇願し、その後復縁するのである。

   やがて栗原一家は野田市に引っ越す。転校先の小学校のいじめに関するアンケートに、心愛ちゃんは「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかなりませんか」とSOSを発信。柏児童相談所は彼女を保護するのだが、父親が野田市教育委員会に怒鳴り込んでくる。

   無理やり書かせたに違いない「アンケートを見せてもいい」という心愛ちゃんの手紙を見せて脅し、震え上がった担当者は無責任にもそれを渡してしまうのである。栗原は娘を転校させ、児相にこれも脅して書かせた心愛ちゃんの「父親の暴力は嘘」という書面を見せ、娘を自宅に連れ戻してしまうのだ。

   責任感の欠如した学校、教育委員会、児童相談所の連中は、その後の彼女をフォローすることはなかった。助けられる小さな命があったのに。新しい学校で、心愛ちゃんは自ら立候補して学級委員長を務め、いつも満面の笑みで元気に挨拶していたという。父親への恐怖と服の下のあざを隠しながら。

闇料金表作って「違法中絶」で荒稼ぎの産婦人科医!呆れた開き直り「記事になれば病院の宣伝になる」

   週刊文春が違法な中絶を行っていると告発している「黒いマタニティクリニック」の話を紹介しよう。埼玉県日高市にある産婦人科クリニックがそれで、無休、24時間体制でお産をサポートすると謳い、地域では一番人気のある病院だそうだ。院長は太田克行医師(77)。

   ここに長年勤務していたA子さんが、こう語る。<「母性保護法では、満二十二週以降の中絶は禁止されています。ところが太田クリニックでは、週数オーバーの妊婦さんの違法な中絶が頻繁に行われていました。中には三十三週や三十四週の中絶もありました」>

   彼女は院長に何度も反対をしたそうだが、逆に院長から「そうだよ、これは犯罪だよ。だから誰にも言っちゃダメだよ」と脅されたという。

   元スタッフのB子さんも、都合の悪い資料は診察が終わると院長が自宅に持ち帰り、カルテを改ざんし処理していたと証言している。元助産師のC子さんは、院長の手で月に1~2回ほど中絶手術が行われていて、よそでは堕ろせないものも、太田はみな受け入れていたと語り、こんなおぞましいことを証言している。

   24、5週前後になると30センチぐらいになっていて、男か女かもはっきりわかり、生きている。院長はそういう手術の時は水を張った「ベースン」というたらいをそばに置き、赤ん坊が泣かないうちに、うつぶせにして水に浸けていたというのだ。

   週刊文春の取材班は2015年にここで中絶をした患者を探し出し、彼女についての資料を入手する。その患者は25週5日だったにもかかわらず、資料には21週1日と記載されていた。患者からヒアリングし、母子手帳を見て、日誌には正しい週数が記されているが、院長の指示により、中絶ではなく「死産」とされ、死産証書は母体保護法に抵触しないように改ざんされるというのである。

   こうした違法行為をなぜやるのか。もちろん週数が増えれば料金上がるからだが、ここには違法中絶用の「闇料金表」が存在していて、先の患者には54万円請求したそうだ。

   それだけではない。自己都合の中絶は自由診療になるから保険は適用されないが、死産の場合は病気扱いで保険が適用される。ここでは、高額な闇料金を取りながら、事務処理上は死産とするから、保険適用の領収書を別途作成して、診療報酬を二重取りしていたというから、これが事実なら国に対する不正請求で、これも犯罪である。

   さて、こうした告発に太田院長はどう答えるのか。当然ながら、違法な中絶はしていないが、22週以降の死産の手術はやっていると話す。先の患者のケースは、中絶希望できたが、突然破水して死産に替わった。高額なカネを要求したのはこちらのミスだということに、週刊文春からいわれて気がついたので、返金するといい出した。

   そして、<「全部デタラメですよ。私に恨みを持って辞めた人が、復讐したくて言っているんですよ。病院の宣伝になるかもしれない。お好きなように(書いてください)」>

   ずいぶん、院長を恨んでいる人間が多くいるようだ。

   ここを管轄している埼玉県母体保護法指定医師審査委員会の小室順義委員長は、週刊文春に対して、こうした情報はこれまで把握していなかったが、「近く、太田院長に聞き取りを行いたいと思っております」と答えている。

   医師らが対象になる業務上堕胎罪の時効は5年、診療報酬詐取の時効は7年だそうだ。どういう結論を審査委員会が出すのか、必ず報告してもらいたいものである。

薬科女子大生殺害の髪なし35歳がネットで呼び出した「30万円あげる」

   次は週刊新潮の、これまたなんともやりきれない記事。

   1月31日未明に、茨城県神栖市の空き地から、翌月に19歳になる菊池捺未さんの遺体が掘り起こされた。逮捕された廣瀬晃一容疑者(35)とは、ネットの掲示板上で出会った。

   昨年11月20日(2018年)に、お茶の水にある日本薬科大学の授業が終わって電車を乗り継ぎ、JR鹿島線の鹿島神宮駅までやってきたというのだ。そこから待ち合わせに指定されたコンビニ近くでタクシーを降りた。友人にはLINEで「男の人に会いたいといわれている」と伝えていたという。

   捜査関係者によると、廣瀬がそこにきて、目隠しをして彼女を自分のアパートへ連れていった。2人でしばらく過ごした後、廣瀬は数キロ離れた畑まで彼女を連れていって置き去りにしたそうである。彼女はそこから歩いて廣瀬のアパートの近くまで戻り、近くの家でアパートの場所を聞き、「東京から来たのだけど、お金がなくて帰れない」「男の人との間でお金の問題があって」などと泣きながら話していたという。アパートに舞い戻った菊池さんは、再度その家を訪れて「解決しました」と告げていたが、廣瀬のクルマに乗せられた彼女の携帯電話の位置情報は、午後11時ごろ、十数キロ離れた遺体発見現場で途切れたままになってしまうのである。

   廣瀬は性犯罪などで2度の検挙歴があるそうだ。昨年4月には千葉県に住む女子高生に現金を渡してみだらな行為に及んだとして、罰金50万円の有罪判決を受けている。この時も、その少女と知り合ったのは携帯電話のSNSだった。

   週刊新潮によれば、廣瀬が菊池さんに提示した金額は30万円だったそうだ。廣瀬は働いておらず、そんな金額が払えるはずはなかった。菊池さんの執念が悲劇を招いてしまったようだ。私には、ネットで知り合っただけの見ず知らずの男の部屋になぜ若い女性が訪ねて行くのかが理解できない。男は狼にも殺人者にもなるのだから。

貴乃花いまだ語れぬ「宮沢りえとの婚約解消」よほど深刻な何かがあったか・・・

   週刊文春の貴乃花の連載が、宮沢りえとの婚約と破局という最大の山場になった。今でもよく覚えている。私はフライデーの編集長だった。久米宏の「ニュースステーション」をなんとなく見ていた。月曜日だった。突然、久米が、貴花田と宮沢りえが婚約したといったのである。編集部員たちに「貴とりえが婚約したそうだ」と怒鳴った。部屋にいた何人かはテレビの前に集まり、何人かが取材先に電話をかけ始めた。

   11月場所終了後に婚約記者会見を開くと貴花田の父親が発表した。挙式は来年5月末。媒酌人は元巨人軍の王貞治。11月12日にホテルニューオータニ「鳳凰の間」で行われた会見は、平日の昼下がりにもかかわらず、視聴率合計で40%を超えたそうだ。貴花田はこの時、大関取りに挑む関脇だった。

   しかし、奇妙なことに、この年の暮れから2人の破局説が流れるのである。婚約会見からわずか61日しか経っていなかった。1月場所を終えた直後の1月27日、両者の話し合いが行われ、婚約解消が決定。

   その夜、宮沢りえ一人で記者会見を開いた。貴乃花は午後11時から藤島部屋で報道陣に、「自分の愛情がなくなりました」と答えた。記者からの「横綱を狙う者の品格としていかがなものか」という質問に、「無責任ですね。これから身につけたいと思います」と話すだけだった。

   このスピード婚約破棄の理由は何か。フライデーも取材に東奔西走したが、真相は「よくわからない」ままだった。週刊文春の連載でその一部でも明かされるかと期待したが、週刊文春も<破局に至る背景には様々な要素が積み重なっていたことだろう。ただひとつ言えるとすれば、純粋に惹かれ合った若い二人は、結婚というステップを前に、初めてそれぞれが背負っている宿命の大きさを突きつけられたのだ>

   何を今さらである。こんなわけのわからない解説を読みたくて週刊文春を買ったわけではない。

   貴乃花は相も変わらず煮え切らないいい方しかしていない。こうだ。<「それぞれが進むべき道が違い過ぎたわけですが、背負っているものはとても似ていました。ともに一家の柱になるべくして生まれてきて、十代からひたすらにその道を歩んできた。お互いがその喜びも孤独も理解できますし、似たような境遇に共鳴、共感したところがあります」>

   巷間いわれているのは、りえが結婚して芸能界を引退し、相撲部屋の女将さんになるのをりえママが許さなかった。貴乃花の父親も、結婚したら引退して部屋の女将さんになることが当然だと譲らなかったというものだ。

   貴乃花も、ここでこういっている。<「もし(宮沢が芸能界を引退して)職を捨てることになれば、その生き方ができなくなるわけです。お互い、親から生まれてきた身です。二人が名もない花だったら、それぞれの本意を大切にして、花を咲かせることができたのかもしれませんけどね......」>

   そんなことは付き合い始めてすぐにわかることだ。お互いの親も会っていて、話もしている。本当に好きなら、親を説得し、結婚するための努力を2人はするべきだったはずだ。今でもお互いが口に出せない、もっと深刻な要因があったのではないか。

   秋篠宮眞子と小室圭の2人には、貴乃花と宮沢りえのケースは参考になるはずだが、これについてはまた明日のこころだ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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