2019年 11月 18日 (月)

<刑事フォイル>(NHK BSプレミアム)
イギリス田舎町の粋で律儀な警視正がとにかくカッコいい!難儀な事件を解決したらスコッチウイスキーをちびり

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   第2次世界大戦中、ドーバー海峡に近い英国南東部の田舎町ヘイスティングスのフォイル刑事の活躍を描いたイギリスの人気ドラマだ。その第6シリーズから最終の第8シリーズまでの全9話が放送されている。第2次世界大戦下のイギリスで、戦時下でも法の公正と正義を貫いたフォイル警視正は、いまは警察を辞めてロンドンの諜報機関MI5移った。

   このドラマの最大の魅力は、鱒釣りとゴルフ、スコッチウィスキーをこよなく愛する典型的英国紳士、クリストファー・フォイルという人物にある。随分と前に妻を亡くした初老の男やもめだが、家の中はきちんと片付けられていて、ソフト帽、スリーピースの背広、ロングコートと一部の隙もない。

   明晰な頭脳で事件の真相を明らかにするのは当然ながら、そこに不正があるなら、たとえ相手が高名な政治家や貴族、警察の上層部であっても徹底的に暴き出し、罪を償わせる一徹さはイギリスの律儀なのだろう。

   はらわたが煮えくり返るような屈辱を受けても、片方の眉をピクリと吊り上げるだけでやり過ごす大人の余裕。部下や弱者に対するさりげなく細やかな気遣い。フォイルの魅力で見せるドラマである。

深みのある人間描写、英国流ユーモア・・・素晴らしい脚本は名人のアンソニー・ホロヴィッツ

   そして、なによりも脚本が重厚なのだ。英国の推理作家ロナルド・ノックスが定めた推理小説のルール「ノックスの十戒」(犯人は物語の当初に登場していなければならないなど)に忠実で、そこかしこに事件の真相解明につながるヒントや伏線が散りばめられており、視聴者はフォイルと一緒にそれを見つけ、事件を捜査をすることになる。

   企画・脚本は、テレビドラマ「名探偵ポワロ」「バーナビー警部」などの脚本を手掛けた小説家・脚本家のアンソニー・ホロヴィッツだと聞けば、巧みな脚本も納得だ。

   第2次大戦終結時の事件を描いた第5シリーズ第3話「警報解除」(通算第19話)で打ち切られるはずだったが、視聴率が高く続編の制作が決まった。ただ、第2次世界大戦中や戦後の70年以上も前のイギリスを描くのは制作費がかかりすぎるようで、このシリーズをもって終了すると正式に発表された。残念。

   週末の午後は、黒ビールでも飲みながら極上のミステリーをどうぞ。(土曜日ごご4時25分~)

(寒山)

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