2019年 12月 13日 (金)

穏やかに上手に最期を迎えてほしい・・・看護師で僧侶の玉置妙憂さん「医療と仏様は同時進行でいいんです」

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「死の満足度」アジアでトップの台湾。大学が臨床宗教師を育成

   いま、玉置さんが注目しているのが台湾の仕組みだ。台湾大学では、世界でも珍しい終末期医療が行われている。医師と僧侶が一体となって、回復の難しい終末期の患者のケアを行なっている。24年前から僧侶に医学教育を行い、臨床宗教師の育成をしてきた。そして、医師と宗教者がチームを組んで、宗教師が介入するタイミングなどを話し合う。

   玉置さんもその現場に立ち会うことができた。51際の男性は舌がんが全身に転移し、延命は困難。1か月前から、宗教師が死を受け入れるための心の整理を行なってきた。医師は「病状は深刻ですが、穏やかさも見えます。表情に絶望感はありません」と語る。「そうですね」と妻。男性はその夜、妻に手を握られて息を引き取った。

   玉置さんは「臨床宗教師と医療と、きちんと相互理解が進んでいると感じました」という。

   雑誌「エコノミスト」の調査では、台湾の「死の満足度」(クオリティ・オブ・デス=QOD)はアジアで1位。とりわけ法制度が高く評価された。患者が望む最期の自主決定権を保証し、患者の意思を優先しても医師の責任は問われない。非常に先進的だ。

   民間の取り組みも特異だ。在宅ケアの臨床宗教師を派遣するステーションは、会費や寄付(お布施)で運営され、仏教徒以外の人のためのボランティアの育成も行なっていた。ただ、お布施文化がない日本では導入は難しいと、玉置さんはいう。

   玉置さんは自らの立ち位置を「猫みたいなもの」と考えている。「死を前に緊張している家族の前に猫的な存在がいると、会話になる」「心のケアというのは技術ではなく、パーソナリティ。資格でできるものではないが、寄り添えば自然に生まれてくるもの、波動というか、空気というか」

   看取りの心理ケアの専門家は、臨床宗教師のほか、公認心理師(国家資格)、臨床心理士などがある。葬式をしない人が増えているが、ケア専門家の需要は増えるのだろうか。誰だって、自宅で安らかに死にたい。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年4月17日放送「 死にざま指南~看護師僧侶の取り組み~」)

文   ヤンヤン
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