2019年 10月 19日 (土)

〈ロケットマン〉
エルトンがいかに澄んだ心の持ち主で、幼い頃から愛に飢えていた人間か、切なさに胸が痛くなった

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   世界的なミュージシャン、エルトン・ジョン。彼の半生を「キングスマン」シリーズのタロン・エガ―トンが主演を務め、「ボヘミアン・ラプソディ」の最終監督デクスター・フレッチャーが映画化。エルトン・ジョン本人も製作総指揮を手掛ける。

   冒頭からミュージカルテイストで始まる本作は、歌も踊りも申し分ない。タロン・エガートンが見事持ち前の美声を披露し、エルトン・ジョンになりきっていた。ビジュアルも完璧だ。中年になり、頭には羽とスパンコール。ド派手な衣装の開けた胸元からは、胸毛が生え広がり、頭はハゲあがり、醜く太った姿まで忠実に再現された。

同性愛を超えたパートナー、バーニーとの友情には心が震えた。

   お育ちの良い天才少年が無理やりロックに目覚めると、ああいう姿になるのだ。物語はそのド派手な衣装に身を包んだエルトンが、セラピーに参加し、そこで衝撃の告白をするところから始まる。アル中で、薬中で、買い物依存症で、セックス依存で、癇癪持ち。でも映画を観た観客はみんな思うはずだ、どんな姿でも、彼はやっぱりスーパースターに変わりないのだと。

   同性愛者で有名なジョンだが、それを超えたパートナーであるバーニーとの友情には心が震えた。天才的な才能を持って生まれたが故に、普通に暮らすことすら許されなかったエルトンの苦悩が劇中に溢れていた。ラストでエルトンが幼少期の両親からのトラウマを克服し、幼い自分を抱きしめるシーンでは涙が止まらない。ただただピュアな神童がそのまま大人になるとこうなる。そんな気がした。

   映画「ボヘミアン・ラプソディ」と本作は似ているが、エルトンの生い立ちから作品を丁寧に描いているところが大きく異なる。とにかく本作ではエルトンがいかに澄んだ心の持ち主で、幼い頃から愛に飢えていた人間かということが証明されて胸が痛くなった。切なく、そして愛の大切さを痛いほど教えてくれるエンターテインメント作品。そしてみなサントラを買って帰りたくなるほど、挿入歌はどれも素晴らしい。

PEKO

おススメ度☆☆☆

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