2020年 1月 26日 (日)

中国で9億人が使うSNS「ウィーチャット」もうこれなしでは生活できないがんじがらめ

印刷
糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   中国ではWeChat(ウィーチャット)が生活に欠かせないSNSになっていて、約9億人が利用している。中国版「LINE」のようなものだが、実名、住所、身分証番号、銀行口座の個人情報を登録すると、電子決済はもちろん、年金の支払い、病院やホテルの予約、交通違反の罰金の支払いまでできるという。ビジネスシーンでは名刺の代わりにID交換が行われる。

   ただ、深刻な問題もある。1つ目は3億人のIT弱者が完全に無視されていることである。15年近く上海で暮らしていたフリージャーナリストの姫田小夏さんは、「ウィーチャットなしでは中国では生きていけません。レジにはおつりが入っていないんです。コインもお札もありません。これはもうスマホを持っていない人は来ちゃダメ、と言われているに等しいですよ」と話す。

   スマホが使えない高齢者は、子どもや孫が一緒じゃないと買い物や外食もできないというのだ。しかし、姫野さんが取材したある中国人男性は、「高齢者なんか気にしていたら中国は発展しない。人口の2割を切り捨てるのが中国のやり方だ」と言い放ったという。

当局に目をつけられたらアカウント凍結!世界で最も厳しい検閲

tv_20191218145337.jpg

   2つ目の問題は当局による監視だ。国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは「ウィーチャットは世界で最も厳しく検閲されているアプリだ」と警告している。当局に都合の悪いキーワードを使った情報は送受信できず、動画や画像は強制削除される。利用者はそれを知っているので、当て字や暗号を使って会話する。

   当局の判断で強制的にアカウントが凍結されてしまうこともある。天安門事件から30周年の追悼集会を取材したBBCの記者は、写真をウィーチャットに投稿したらアカウントを凍結された。ブロック解除のために、自撮りの顔写真と声の登録を要求されたと言うから、どうやら要注意人物のリストに載ってしまったようだ。取材相手も、いる場所も筒抜けだから、これからの取材活動はものすごく大変になるだろう。

もっと危ない日本!「情報筒抜けでも便利ならいい」が7割

   日本も他人事ではないかもしれない。20代から70代の日本人男女100人に「スマホアプリ利用で個人情報登録が必要だとしたら?」と聞いたところ、「便利になるなら問題ない」が72人、「個人情報登録したくない」が26人、「わからない」が2人だった。無防備な人が圧倒的に多い。

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「国家だけじゃなく、特定の巨大企業に個人情報がすべて集約されるというリスクもあります。内定辞退率をはじき出されて企業に提供されたリクナビ問題のように、自分に不利益になることもあるわけです。個人情報の漏えいだけではなく、個人情報がどのように利用されるのかもブラックボックスです」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「中国人よりも、実は日本人の方がこういう世界に親和性は高いのではないか。もともと同調圧力が高いですから。『悪いことしていないし、不都合はないと言う人』は、自分の生活がすべて周りの人に筒抜けだったら気持ちいいんですか。便利さと引き換えに、そういう世界に向かっているんです」

文   ピノコ | 似顔絵 池田マコト
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
お知らせ

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中