2020年 7月 10日 (金)

無観客試合でもプロ野球と大相撲では大違い。大相撲はスポーツ試合というよりは観客あってこその祝祭なのだ
<スポーツの無観客試合>(NHK総合ほか)

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   プロ野球や大相撲などの無観客試合が中継されている。新型コロナウイルス蔓延予防の副産物である。プロ野球でも大相撲でも、百年以上の歴史の中で初体験である。これを見ながら興味深いことに気が付いた。プロ野球ではあまり観客のいる試合と変わらない。何故なら、カメラが写すのはバッテリーの一挙手一投足であるから。

   見ているこっちは彼らの動きに集中するので、向こうの方の観客席が無人でも気にならない。かつての西武球場のように、観客パラパラというパ・リーグ試合に慣れてきたからである。ところが、大相撲の無観客は心底つまらなくて見る気がしない。初日の正面解説者の北の富士が試合後に言っていた。「疲れました」と。何故なのか。

   筆者が去年の秋場所で升席観戦した経験からすると、大相撲の醍醐味は「あの」擂り鉢型の大観客席をギッシリ埋めた人々のさざめきや歓声と拍手である。後ろの方の升席客は、大金を出してゲットした弁当や酒やヤキトリを食うのに忙しく、ほとんど瞬間の格闘技は見ていない。遅ればせに結果を電光掲示板で見て拍手するだけ。

   飲み食いと歓声が一体となって大相撲という祝祭を構成しているのである。スポーツの勝った負けたよりも、国技館という大祝祭会場の構成員になっている。だから、テレビ中継でも土俵上の「寄り切り」や「押し出し」の試合結果だけではつまらないのだ。妙に響く呼び出しの声や所在なげに歩く懸賞金のノボリも淋しい限り。(放送2020年3月)

                   

(黄蘭)

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