難病ALSと闘う「ニャンちゅう」声優・津久井教生 「仕事が対症療法になっている。少しでも長くニャンちゅうを演じたい」

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   毎年2月の最終日は「世界希少・難治性疾患」の日ということで、小林孝司アナウンサーが「きょう(2021年2月25日)はその中でもALS(筋萎縮性側索硬化症)を中心に考えていきたいと思います」と取り上げた。

   次第に筋肉が衰え、全身が動かなくなっていく病気で、症状が進行すると自力での呼吸ができなくなる。原因不明で治療法も確立されていない難病で、日本にはおよそ1万人の患者がいる。

   Eテレのキャラクター「ニャンちゅう」の声を演じる声優・津久井教生(59)さんも、ALS患者のひとりだ。津久井さんのALSとの向き合い方が紹介された。

発症はおととし3月...着替えやトイレ、入浴、食事が自力でできなくなった

   津久井さんが最初に体に異変を感じたのは2019年の3月。起伏のない道路を歩いていた時に突然転倒し、次第に足をまっすぐ前に出して歩けなくなった。

   津久井さん「何で歩けなくなっているんだろう、何で転びそうになるんだろうって。5~10分で歩いて駅まで行っていたのが、途中で2回休んで15~20分かかる。これはもしかしたら尋常じゃない病気なんじゃないかと思ったんです」

   整形外科や神経内科を受診し、様々な検査を受けたが、病名すらはっきりせず悩む日々が続いた。ひとつずつ病気を絞り込んでいき、発症から半年経ってようやくALSと確定した。

   足から出始めた津久井さんの症状は、いま上半身にまで進行している。手が上がらず、着替えやトイレ、入浴、食事も自力ではできない状況だが、声と呼吸は無事だという。

   小林アナ「津久井さんは足から症状が出ていましたが、上半身から先に出る人もいれば、進行の速さも人によって異なる病気なんです」

   ゲストのIKKOさん「突然なるというのが怖いですね」

「社会に存在場所を作ることが生きていく礎」

   難病を抱える津久井さんだが、その姿は明るく元気いっぱいだ。毎週リハビリテーションのクリニックに通い、体が動く時間を少しでも長く維持できるようリハビリにも取り組んでいる。

   理学療法士の服部寛さん「弱気になる方や動くことに消極的になる方が多いんですが、仕事にも行ってプラスに捉えられるのが何よりすごいと思います」

   ニャンちゅうの声を演じて2022年で30年になる津久井さん。いまは少しでも長く演じるのが目標だという。  共演する声優の比嘉久美子さん「その状態でできることを常に教生さんは探しているし挑戦している。教生さんがそんなにやっているなら私たち負けていられないですね。というか、一緒に楽しむぞ!って」

   人形操演の磯部美恵子さん「ニャンちゅうを教生さん以外の人がやるなんてことは考えられない。このままずっと奇跡を起こしつつ、私たちと関わっていただきたいと切に思っています」

   津久井さん「僕だけではなくて、難病やALSの患者さんは、いまやっている仕事がずっと続けられたらいいなと思っていると思うので、できる限り社会に存在場所を作っていく。それこそが生きていく礎になるんじゃないかなと思います」

   博多大吉キャスター「仕事場があるというのが津久井さんにとって大きい心の支えになっているんですね」

   津久井さん「この仕事をさせていただいていること自体が対症療法というか、仲間たちと一緒にワイワイやることによっていいパワーをもらって、今の状態が維持できてるんじゃないかと本当に思います」

文   ピコ花子
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