2024年 4月 26日 (金)

文春、新潮が東日本大震災から今日で10年の特集 「復興五輪」とぬかすのは100年早い! 「文春砲」がNTTから野田聖子、高市早苗・元総務相へのズブズブ高額接待を詳報...チクった「犯人」は誰だ?

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   東日本大震災から今日で10年。週刊誌も文春が「今だから書ける『週刊文春』記者の3・11」、新潮が「喪失を越え『大震災』10年の人間ドラマ」をやっている。

   様々なメディアが流す情報の中で、心に留まったのは、「多くの人が津波で亡くなったのに、大震災では津波の恐ろしさが伝わらない」という言葉。同感である。これでは原発事故の悲惨さも伝わらない。「大東亜戦争」を「太平洋戦争」というようなものである。

   NHKスペシャル「徹底検証 "除染マネー"」が出色だった。大手ゼネコンと下請けが、5兆円を超える除染マネーを私している実態を暴いていた。

   「自分は一番安全な場所にいて、撮影していた」。津波が街をのみこむ衝撃的な映像をヘリから生中継した、NHK福島放送局のカメラマン・鉾井喬の言葉である(HUFFPOST 3/10(水) 6:07配信より)。

   震災発生から2年後、彼はNHKを辞める。2016年に震災後の福島をテーマに、桜とそこに集う人々を見つめたドキュメンタリー「福島桜紀行」を発表する。

   鉾井は10年経った今こう語る。「撮らないで済むなら、撮りたくなかった」。「復興五輪」などとぬかすのは100年早い。

   阪神淡路大震災、東日本大震災と原発事故、そして世界的なコロナ感染爆発と、地球を支配したと驕る人類たちに自然が憤り、滅亡させようと追い詰めている。

   『人新世の資本論』(集英社新書)で斎藤幸平が喝破しているように、「SDGs(持続可能な開発目標)はアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかない」のだ。

   首都直下型地震は明日にでも起きる。間に合わないかも知れないが、全原発を止め、首都機能を移転・分散させ、東京の人口を3分の1にすることで、日本が「全沈没」するのを避ける方策を即刻とるべきである。

文春砲の勢いは衰えず

   さて、文春砲の勢いは衰えない。山田真貴子広報官が東北新社から超高額な接待を受けていたことを報じて首にし、返す刀で、谷脇康彦総務審議官も同様だったと飲食接待の詳細を公表した。

   谷脇を事務次官にしたい菅首相は、事務次官級の総務審議官のままにしておいたが、文春は、NTTの元社長の鵜浦博夫からも高額な接待を受けていたことを報じたため、3月8日付で官房付へと更迭されてしまった。

   そのため谷脇は今月末で定年退職になる。退職金は6000万円になるといわれるが、ペナルティを科せられて減額されるのではないか。まるで藤井聡太二冠の将棋を見ているような文春の詰めの鋭さである。

   今週は、総務大臣在職中の野田聖子が2回、高市早苗が2回、菅の右腕の山口俊一副大臣が10回、総務政務三役は41回も、NTT側から高額な接待を受けていたと報じている。

   文春によれば、総務省政務三役への接待を時系列で並べて見ると、15年から17年までの3年間は10回だが、18年から20年までの3年間では26回と、ハイペースで接待が行われていたそうだ。

   18年は、菅官房長官(当時)が携帯電話料金を4割下げる余地があるとぶち上げ、通信業界に激震が走った年だったから、NTT側が情報集めを急いだのではないか。

   深田純社長は、菅政権発足直後に、収益第3位のドコモを強くすると啖呵を切り、11月17日には約4・2兆円を投じてTOBを成し遂げ、12月3日には格安料金プラン「アハモ」を発表、25日にはドコモの上場を廃止して子会社化を完遂と、矢継ぎ早に手を打っていくのである。

   経済部記者は、そうした時期に接待が増えたのは、「ドコモの子会社化に向け、政治家や官僚に対する地ならしの意味があったのでしょう」と推測している。

"孫正義憎し"で意気投合している菅首相とNTT社長

   そんな澤田を買っているのが菅だという。「菅さんと澤田さんはソフトバンクの"孫正義憎し"で意気投合している」(双方を知る財界人)。谷脇も、通信分野の競争政策をライフワークにしており、澤田とは10年来の付き合いだそうだ。

   携帯電話の料金をどこまで下げられるのか、NTT側の腹を探りたい谷脇、バーターでドコモを完全子会社化したい澤田との利害が一致したということのようだ。

   元東京地検特捜部検事の若狭勝弁護士は、「政務三役として職務権限を持つ者が接待を受け、その席で職務権限に絡む話が出ていれば、何も請託(お願い事)がなくても単純収賄罪に該当する可能性があります」といっている。

   元社長の鵜浦博夫は文春に対して、「俺、別にあんなんで何かモノ頼むとかしない!」と憤っているが、「あんた方が、あんなデータをどっから取ってくるのかのほうに不信感がある」と語っている。

   鵜浦がいいたいのは不信感ではなく、文春の取材力への驚きと、誰が通報者なのかを知りたいということだろう。反澤田の人間であることは分かるが、単独なのか複数なのか。どのレベルの人間なのか。

   文春が誌面で公開している接待当日の「会計情報」には、2018/09/20(木)18:30~22:30 3名とあり、和食コース 単価¥12,000。別の日には赤ワイン ¥135,000とある。両日ともに接待相手は谷脇だが、赤ワインがキスラーのピノ・ノワールと書いてあるわけではない。

   高市大臣(当時)の時には、「辛いものやメロンがNG」だと事務所から事前連絡があったと書いている。接待日と相手を知り得る人間、接待のメニューが何であったのかを知り得る人間、谷脇が5000円の領収書をもらったことを知り得る人間は誰かと推理すれば、複数の人間がいると考えるのが合理的であろう。

   文春によれば、澤田は菅と親しく、26年まで社長の座に居続けることを画策しているというから、それに反対している勢力があると考えても無理はない。

   NTT幹部たちによる総務省官僚接待疑惑は、NTTという巨大な企業の内部抗争へと広がりそうな予感がする。

イベルメクチンはコロナに効果がある!

   このところ、文春だけではなく、他の週刊誌も頑張っている。日本向けのワクチンが不足していて、国民全員が接種を受けられるのは年末になるのではないかと報じたのはポストだった。

   ノーベル医学・生理学賞の大村智博士が発見した「イベルメクチン」がコロナに効果があると報じたのは、先週の新潮である。

   今週の新潮は、ワクチン接種で副反応「アナフィラキシー」になるのは90%超女性だと報じ、早速、今朝(3月11日)のモーニングショーでも話題になっていた。

   「ファイザー製のワクチンでアナフィラキシーを起こした21人中19人が、モデルナ製では10人中全員が女性でした。アナフィラキシーを起こす人に女性が多いというのは、現時点での事実です」(米国立研究機関の博士研究員で病理医の峰宗太郎)

   だが峰は、ファイザー製で189万人中21人、モデルナ製で404万人中10人だから、心配することはないというのだが。

   女性のほうが免疫異常を起こしやすいということが関係しているのかもしれない、という見方もある。

   また米CDC(疾病予防管理センター)では、化粧品でかぶれたり、歯磨き粉で重度のアレルギー反応を示したりした人は、ワクチンを接種しないよう勧めているという。少しは心配したほうがいいようだ。

ドロドロ福原愛の不倫相手とは?

   さて、卓球界のアイドルだった福原愛の離婚&不倫騒動が大きな話題を呼んでいる。

   先週、福原の独占告白を掲載した文春は、今週も「離婚の決意は変わらない」と報じている。

   だがさすがに、横浜で男性とホテルに泊まったり、自宅に引き入れたりした「一連の行動は軽率と指摘されても仕方ない」と批判している。

   離婚はともかく、不倫が理由で離婚となれば、台湾だけではなく日本でも彼女の「好感度」は薄くなり、CMなどの仕事にも障害が出るだろう。

   夫の江は福原を手放す気はないようで、「私たちお互いの愛がこれで消えることはない」という声明を発表し、福原の母親(昨年5月に台湾に来て暮らしている)と子どもが仲良く映っている写真をSNSに投稿しているそうだ。

   「いわば、江家による"人質作戦"です」(江家の知人)。さらなる難問は、親権をどちらがもつのかということで、「離婚後の親権者の割合自体は統計上男性の方が多い。今回の不倫報道により、福原さんが親権を失う可能性も十分あります」(デイライト法律事務所の本村安宏弁護士=女性自身)

   気になるのは、里帰り不倫していたとセブンが激写した男性が誰かということだが、今週のセブンがプロフィールを報じている。

   彼は福原より5歳年下の27歳だという。神奈川県出身で早稲田大学に進学。福原の後輩になる。卒業後は大手商社に入社し、相当のやり手で、年収は1500万円を超えるそうだ。

   彼の知人は、「愛さんが卓球界を背負った有名人であることや、何よりも2人の子供がいる既婚者であることは、充分にわかっていたはず......」だというのだが、愛があれば歳の差なんてということもある。

   福原はセブンに対して、「どのような将来を迎えるにせよ、できればみんなが幸せになるかたちを、たとえ歪なかたちになっても、探していければと思っています」と答えている。

   歪とは意味深な言葉だ。前途多難な福原だが、意外なことに中国では、彼女への応援大合唱で、「謝罪コメントが出ても『愛ちゃんがなぜ謝る?』『結婚に失敗しても、愛ちゃんは愛ちゃんだ』と熱いメッセージが飛び交っていますよ」(上海在住のライター・もがき三太郎=FLASH)

   福原を巡っても、台湾と中国の深刻な対立があるようだ。

   女性版・ジャニー喜多川という興味深い記事が文春にあるが、それは明日のお楽しみ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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