2024年 4月 26日 (金)

猪子寿之、リナ・サワヤマ、ときど、小澤マリア...世界が尊敬する日本人!好きなことをとことん追求する彼ら彼女ら――ほか5編

天才棋士・羽生善治が感じ始めた「老い」―先入観や思い込みに囚われ、思考の幅が狭くなった

   天才棋士・羽生善治も50歳になる。大山康晴15世名人を凌ぐといわれた羽生も、強さではあまり話題にならなくなってきた。棋士の全盛期は短いが、週刊ポストはその羽生に「老い」について聞いている。

   <「経験を積むと先入観や思い込み、または常識に囚われることがどうしても増えてきて、思考の幅が狭くなってしまいます。ただそれはいい面もあります。例えば『この手はダメそうだからこれ以上考えるのは止めよう』といった見切りの精度は経験によって向上します。一つの局面を見た時に、実体験から見えてくる視点と、真新しいゼロの視点と併せて見ることが大事だと思っています」>

   具体的には、<「意図的にやる必要があるでしょうね。思考のプロセスの最後に、これでいいのか確認する作業がありますよね。その時に、先入観を持っていないか、まっさらな状態だとどう見えるのかを考え直すようにしています」>

   羽生は自分の成績に一喜一憂しないようにしているという。<「大事なことは、自己評価と周囲の評価がどれぐらい一致しているかです。一致していれば、あまりストレスは感じない。本当はそれほどでもないのに高く評価されている時も、本当はもっとできるのに低く評価されている時も、いずれもストレスになるんです。自分自身を客観的に評価すことはものすごく難しいのですが、特に棋士はその作業をやり続けなければいけません」>

   今の羽生は、もっとできるのに低く評価されていると思っているのかもしれない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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