「クリミア大橋」大爆発 専門家が指摘するウクライナ「サラミ戦術」とは(モーニングショー)

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   現地時間8日午前6時頃(2022年10月)、ロシアが実効支配するウクライナ南部のクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋で走行中のトラックが大爆発を起こした。衝撃で橋の一部は海に崩落、さらに並走する鉄道では燃料タンク7つに引火した。ロシア運輸省によると、鉄道は14時間後に再開、車道も16時間後に片側交互通行で再開しているという。

  • ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「これは始まりだ」と語る
    ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「これは始まりだ」と語る
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「欧米、日本も無関係ではいられない」

   クリミア大橋はウクライナ南部ヘルソン州への補給ルートでもあり、ロシア軍の生命線ともいえる橋だ。ロシアによるクリミア併合後に建設が開始され、2018年の開通式ではプーチン大統領がみずからトラックのハンドルを握って先頭を走った象徴的な橋だが、これがプーチン大統領70歳誕生日の翌日に大きな被害を受けた。

   ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「これは始まりだ。違法なものはすべて壊す必要がある」と語る。ウクライナ軍も「巡洋艦モスクワとクリミア大橋というロシアの力の象徴が2つ沈んだ。次は何でしょう」とツイートしている。一方でプーチン大統領は「ウクライナによるテロ攻撃だ」としている。

   クリミア大橋の爆発は戦局の転換点となるのか。今日10日の「モーニングショー」ではスタジオに専門家2人を招いて話を聞いた。

   高橋杉雄(防衛省防衛研究所)「南部ロシア軍に対する補給線。今はマリウポリなど占領したのでロシア本土から直結するラインもあるが、そちらの鉄道はHIMARS(ロケット砲)の射程圏内に含まれているため、前線への補給が細くなる」

   駒木明義(朝日新聞論説委員)「クリミアは半島だがウクライナ側につながっている。この橋ができるまではフェリーで運んでいた。橋ができたおかげで物資も人も大量に運ぶことができるようになった。ロシアによるクリミア支配の象徴」

   石原良純(タレント・気象予報士)「誰がやったのか。ウクライナ軍なのか、テロなのか、ロシア強硬派か」

   高橋杉雄「誰が得をするかというとウクライナ。ロシアによる偽旗作戦としては被害が大きすぎる。純然たる事故ではないだろう。偶然事故が起きてその横を列車が走っているというのはほとんど考えられない。橋げたそのものを叩き割っているので、爆薬はミサイルや無人機が運搬できるような量ではない。トラックだとすると運転手が確実に亡くなる。ウクライナは戦場で優勢なので、決死隊的な攻撃をする必要はない」

   駒木明義「(ロシア側からみると)特別軍事作戦を対テロ戦と位置づけなおすことで、動員への説得力が増す」

   高橋杉雄「ウクライナが試みているのは、サラミを薄く切っていくように少しずつ現状を変えていくサラミ戦術。クリミアの様子を見ているようにみえる」

   石原良純「原発も気になる。破壊工作の対象となると戦争のあり方が変わるのではないか」

   高橋杉雄「原発も核兵器もタブー。使うことになればタブーが破れ、核抑止が破れることになる。もしかしたらアメリカが核で打ち返すかもしれないし、軍事介入するかもしれない。タブーが破れただけには終わらない。欧米、日本も無関係ではいられない。どのように抑止力を取り戻すのか。中国や北朝鮮との関係で取り返しがつかないことになる」

(みっちゃん)

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